ここバルセロナのMobile World Congress(MWC)で披露されたサムスンの新スマートフォン「Galaxy S7」は、魅惑的なメタルとガラスの筐体に最先端技術を投入した美しい一品だ。それは認めよう。問題は、前にも同じようなものがあったことだ。覚えているだろうか。
「見た目は『Galaxy S6』とほとんど同じではないか」と言う人もいるだろう。そのとおりだ。だが、Galaxy S6から変わった部分もある。重要な機能としては、写真や映画、ゲームを保存するためのmicroSDカードスロットが挙げられる(これがあれば、容量を増やすために値段の高いモデルを買う必要がなくなる)。また、防水機能も復活した。バッテリの容量が増え、カメラもプロセッサも高性能になっているという(ただし、メタルボディの「LG G5」と違って、バッテリの脱着はできない。LG G5は、Galaxy S7より数時間前に当地で発表された)。
すでにGalaxy S6か「Galaxy S6 edge」を持っている人にとっては、今の機種と同じ点が多すぎて、魅力に欠けるかもしれない。筆者は自分自身の期待と戦いながらこの記事を書いている。何カ月か前にリリースされたばかりの「Galaxy S6 edge+」など、よく似たサムスン製スマートフォンと比べて、大きく変わったようには見えないからだ。とはいえ、Galaxy S7(と大画面の「Galaxy S7 edge」)には、2016年の最高のスマートフォンとなり得る要素があり、その点においてワイヤレス充電や拡張可能なストレージといった機能が果たす役割は大きい。何と言っても、「iPhone」にはない機能だからだ。
だが、1年間で大きい変化がないことは、サムスンが特に向き合わなければならない問題だ。韓国の巨大企業である同社は、安価なスマートフォン(あまり特徴がないモデルも多い)を販売するブランドを相手に、売り上げと市場シェアを確実に落とし続けている。サムスンは、Galaxy S7とGalaxy S7 edgeでユーザーにアピールする必要がある。それができなければ、Xiaomi(シャオミ)やHuawei(ファーウェイ)といったブランドの攻勢に手を出せず、市場を奪われ続けることになるだろう。
米国の場合、Galaxy S7とGalaxy S7 edgeは米国時間3月11日に発売される見込みで、事前予約は2月23日に始まる。価格は発表されていないが、特典は発表された。2月23日から3月18日の間にGalaxy S7かGalaxy S7 edgeを購入すると、仮想現実ヘッドセット「Gear VR」が無料で提供され、6タイトルのゲームがバンドルされるという。Gear VRは、新しいGalaxy S7シリーズの両モデルに対応する。
引き続き、Galaxy S7のさらなる詳細とスペック一覧を紹介しよう。
Galaxy S7 edgeのカメラは12メガピクセルだが、2015年モデルのカメラは16メガピクセルだった。ピクセル数が減ったことは奇妙に思えるかもしれない。また、内部のハードウェアもまったく変わっていないのでは、と不安になる人もいるだろう。この点について米CNETのカメラの権威Josh Goldman記者に聞いたところ、スマートフォンに使われるような小型のカメラセンサの場合、16メガピクセルから12メガピクセルに「ダウングレード」しても、大きな差はないはずだという。
サムスンは、解像度を下げた(ピクセル数が減ると画像の解像度は低下)ものの、センサのサイズを同じにしたことで、各ピクセルが大きくなるとしている。Goldman記者によると、ピクセルが大きくなれば集光力が上がるため、暗いところで撮影する写真の画質が良くなるほか、全般的に画質が向上するという。Galaxy S7シリーズでは、開口部もわずかながら大きくなっており(F値はf1.9からf1.7になる)、Galaxy S6よりも少しだけ多く光りを取り入れることができる。
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