Facebook Japan、2016年はモバイル広告ネットワークを本格展開--「VR」にも注力

井指啓吾 (編集部)2015年12月10日 08時10分
 Facebook Japanのオフィスには、Oculus Riftの開発チーム向けの専用ルームが2室ある。
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 Facebook Japanのオフィスには、Oculus Riftの開発チーム向けの専用ルームが2室ある。

 Facebookは12月9日、Facebook Japanの代表取締役に10月5日付で就任した長谷川晋氏による記者会見を開催。同社の日本市場の状況や今後の戦略を説明した。


Facebook Japan代表取締役の長谷川晋氏。同社入社前は、楽天の上級執行役員としてグローバルおよび国内のマーケティングを管掌していた

 長谷川氏によれば、Facebookの日本の月間アクティブユーザー数(MAU)は約2500万人。同社がMAU以上に着目しているという“ユーザーの質”も高まっており、MAUの2500万人のうち64%が、Facebookを毎日利用しているという。モバイルの存在感が強く、ユーザーの92%がモバイルからアクセスしており、1日の動画再生の90%がモバイルによるものだそうだ。

 一方、Instagramは日本のMAUが約810万人で、長谷川氏が「日本のマーケットに浸透している手応えを感じる」と話すように、前年比で2倍以上の伸びを見せている。グローバルでは、1日の平均利用時間が21分だという。

 広告を主としたビジネス面では、横に並んだ複数の画像をスワイプして見られる「カルーセル広告」がヒットした。広告主は、複数のビジュアルを使って、ユーザーに商品の魅力を訴求できる。データと連動させてターゲットを絞ることが可能で、それによりモバイルでのコンバージョン率が2倍に増えた事例もあるという。

 あわせて注力している「動画広告」では、ユーザーの居住地域によって映像の一部を変える取り組みなどを実施。動画を視聴した人に「親近感を持ってもらう」ことなどの効果を狙ったものだ。


Facebookがカンター・ジャパンに依頼して実施した調査の結果

Facebookがカンター・ジャパンに依頼して実施した調査の結果

Facebookがニールセンに依頼して実施した調査の結果

 長谷川氏は2015年の取り組みを「大前提にあるのはモバイル、スマホ。ユーザー面では、Facebook、Instagramともにユーザー数が着実に伸びてきており、量だけでなく質でも手応えを感じている。ビジネス面では、モバイルに合ったサービスや製品を提供し続けることで結果が出始めている」と総括した。

 今後、Facebookはグローバルで、同社が提供する5つのサービス「Facebook」「Instagram」「Groups」「WhatsApp」「Messenger」を、各ユーザーのニーズに合うように改善していく方針。また、VR(仮想現実)にも力を入れる。Facebook傘下のOculus VRはサムスンと消費者向けのVRヘッドセット「Gear VR」を共同開発し、11月にグローバルでの予約受付を始めた。長谷川氏によれば、日本では12月中旬頃の発売を予定しているという。


Facebookが提供するサービスの、グローバルでのMAU

 その方針を受けてFacebook Japanが特に注力するのは、(1)FacebookやInstagramのユーザーの増加にあわせた、Facebookからワンクリックで広告を出せるモバイル広告ネットワーク「Audience Network」の本格展開、(2)「販路の開拓とマーケティング」面での中小企業の支援、(3)モバイルにおけるクリエイティブの強化――の3点。

 長谷川氏は、「日本市場はまだまだこれから。いかにスピード感を持って取り組むかが重要。2016年もチーム一丸となって取り組んでいきたい」と意気込みを語った。

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