複雑化する企業購買プロセス、マーケティングの鍵は「コンテンツ」--LinkedInの視点 - (page 3)

LinkedInが考える、これからのデジタルマーケティング

--こうしたマーケティング施策を活用する上で、企業に求められるものは何でしょうか。

ルグラン氏:これからのBtoBマーケティング施策において重要なカギを握るのが、コンテンツです。つまり、正しい情報を正しい属性のグループに届けていくということが求められ、これからのマーケティングは売り手が伝えたい情報を一方的に押し付けていくのではなく、買い手が欲しいと思う情報ニーズにマッチしたものを届けていくことが重要なのです。

 買い手主導のコミュニケーションが企業に求められます。加えて、需要を発掘するということも、これからの重要な課題です。たとえば、東芝やHPといった企業はコンテンツを活用して新たなニーズを発掘しながらマーケティング活動を展開しています。

 加えて、現在BtoBのテクノロジ購買プロセスは非常に複雑化しており、いくつものステージにおいて複数の部署の担当者や責任者が関わっています。こうした現状において、それぞれの担当者のステージや役割に応じて関連性の高いコンテンツを提供していく必要があります。


「購買プロセスに関わる担当者それぞれのニーズに合わせたコンテンツが必要」とルグラン氏は語る

--最近ではFacebookもリード獲得型広告を発表するなど、ソーシャルマーケティングの世界はBtoCからBtoBへとそのステージを拡大しています。ソーシャルマーケティングは、今後どのように進化していくと思いますか。

ルグラン氏:今、ユーザーのトレンドは“モバイル+ソーシャル”であり、これは今後も引き続き成長していくでしょう。人々はソーシャルネットワークにおけるインタラクションが当たり前になり、企業もその中に参加しなければなりません。そういう意味で、Facebookが広告メニューを拡充したり、LinkedInがマーケティングソリューションを拡大させたりしているのは必然の流れだと言えるのです。

 ソーシャルネットワークの一番の強みは、スケール感とデータアセットをマーケティングの設計に活用できること。適したターゲットに対して適したメッセージをコンテンツを通じて届け、ビジネスインパクトを生み出していくことができる点だと考えています。

--最後に、日本ではLINEやFacebookのシェアが高く企業の利用も活発です。その中で、日本国内での事業拡大で重視している点を教えてください。

ルグラン氏:日本は、ビジネスの風土や企業の考え方が海外とは少し違う傾向があり、ユーザーの特性も異なります。その中で最も重要なのは、日本では企業に対してFace to Faceで私たちの考えを伝えていくことです。

 海外ではセルフサービス型のBtoB商材が拡大していますが、日本では導入してもらうためには商談が欠かせませんし、営業担当者がしっかりと企業とコミュニケーションしながら企業を手厚くサポートしていくことが必要であると考えています。

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