イノーバは9月16日、マーケティング管理システム「Cloud CMO」を刷新し、マーケティングオートメーションツールとして提供すると発表した。マーケティングでの事業成長に課題のあるBtoBの中堅/中小企業を主要ターゲットに据える。
従来のCloud CMOは、SEOや効果測定の機能を核とした、オウンドメディアなどに対応したコンテンツマーケティング支援ツールだった。新版では、マーケターだけでもウェブサイトの構築や更新ができるCMSや、コンテンツやマーケティング施策のパフォーマンス評価、見込み顧客の集客や獲得、育成ができる機能までをワンストップで利用できるようになるという。
同社は2015年冬をめどに、オウンドメディアの運営を内製化したいナショナルクライアントや大手メディア向けに、コンテンツ制作システム「Content Studio」をASPサービスとして発売する予定。イノーバが持つ1500人以上のライターネットワークを外部に開放するとともに、スケジュール管理や支払い、コンテンツの効果分析など、コンテンツ制作業務のフローを統合管理できる機能を搭載するという。料金は月額20万円以上を予定している。
イノーバは同日、2019年までの事業計画も発表した。2015年は強化したプロダクトの拡販に注力。2016年には、外国語ニーズの高まりを受けて多言語に対応したコンテンツをリリースするほか、地方の顧客に対応するために地方拠点を拡充する。また、まだ体制が整っていない、パートナー企業との取り組みの制度を整える予定だという。
イノーバ代表取締役社長CEOの宗像淳氏は「地方の企業から、すでにたくさんのお問い合わせをいただいている。本来、ベンチャーは地方展開を最後にやるものだが、これを早いタイミングで実行し、地方にいる顧客の近くでビジネスをしたい」と戦略の意図を話した。
2017年にはマザーズ上場、そして2019年に東証一部への指定替えを見据える。2017年から海外展開に動き出し、その後、既存事業の周辺領域に進出することも計画している。
米国の調査会社PQ Mediaによれば、グローバルでのコンテンツマーケティング市場の規模は、2019年に37兆6000億円にまで広がるという。宗像氏は「日本を支える約450万の中小企業をマーケティングでサポートしていきたい。各社がコンテンツマーケティングを使ってユニークな製品やサービスを発信すると世界中から問い合わせがくるような社会を、一刻も早く実現したい」と意気込みを語った。
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