--LinkedInの企業向けサービスについて教えてください。
ルグラン氏:LinkedInが企業に提供しているサービスの軸は、人材採用のサポート、広告・マーケティング活動のサポート、営業活動のサポートの3つです。
広告・マーケティングにおいては、BtoC領域では高級ブランドや高価格商品など購入までの検討に時間がかかる商材のマーケティングに適していると言われており、また現在注力しているBtoB領域の商品・サービスを訴求するプラットフォームとしても注目されています。
営業サポートでは、担当者が結果を出せるサービスとして、人脈の中での紹介を通してビジネスチャンスを生み出す“ソーシャルセリング”が高い評価を受けています。
--ルグラン氏が担当しているBtoB広告・マーケティングの特色を教えてください。
ルグラン氏:LinkedInの強みは、まずプロフェッショナルネットワークであることによるユーザー属性の質の高さです。“プロフェッショナル”というのは、高いレベルの教育を受けており、可処分所得(購買能力)が高く、ビジネスにおける影響力を持っています。
加えて、LinkedInユーザーはサービスを利用する際のマインドが他のSNSと大きく違います。一般的なSNSでは“暇つぶし”のためにサービスを利用することが多いですが、LinkedInではビジネスのための有益な情報を探し出すために自分の時間を投資するという意識が強く、マインドセットがビジネスにマッチしていることで、企業が法人向けの情報を発信した際の親和性も高いのです。
そして、ユーザープロフィールのデータをターゲティングの対象にできることから、ユーザーにとって関連性の高い情報を発信できることも強みです。同じ企業のユーザーでも、技術職、マーケティング職、総務・人事職などによって、彼らに訴求できるメッセージの切り口は大きく違いますが、LinkedInのターゲティングによってこういった属性の違いに合わせた訴求が可能になるのです。
--ターゲットを絞り込むということは、リーチできるユーザーの減少につながります。ターゲティングとリーチ確保のバランスをどのようにとっているのでしょうか。
ルグラン氏:スケールを出しながらターゲットとの関連性を高めていくというのは、BtoBのマーケティングにおいて非常に大きなチャレンジです。LinkedInでは、マーケティングオートメーションで特定の属性のユーザーに絞り込むことで質の追求が可能になり、一方でアドテクノロジによってユーザーに一斉に広告を配信することでリーチの量を追求できます。
この2軸によって、質と量をバランスよく最大化できるようになってきています。マーケティングオートメーションとアドテクノロジという方向性の違う2つのテクノロジがLinkedInで融合されたのです。
たとえば、「LinkedIn Lead Accelerator」というサービスは、見込み顧客を獲得するためのナーチャリング(見込み顧客の育成)を目的としたサービスです。
現在、企業にウェブサイトに来訪してもらっても、コンバージョン(メールアドレスの登録など)をする可能性は5%程度。その5%の見込み顧客にメールを送付しても、開封してもらえる可能性は20%と低いのが現状です。結果的に、100人サイトに呼び込んでも、1人しかエンゲージできないのです。こうした課題に対して、LinkedInのソーシャル広告とネットワークディスプレイ広告を活用して、企業サイトに訪問してもコンバージョンしない95%のユーザーをナーチャリングし、コンバージョンの向上とエンゲージの醸成を目指します。
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