セールスフォース・ドットコムは7月3日、デジタルマーケティング製品「Marketing Cloud」の日本ローンチ1周年を記念したカンファレンスを開催。日本における最新の状況を説明した。
Marketing Cloudは、顧客データや行動データを一元化し、リアルタイムに組み合わせることで、メールやソーシャルメディア、SMS、LINEなど、あらゆるチャネルやデバイスを活用した顧客との“1対1”コミュニケーションを実現するCRM(顧客管理システム)。
同日に登壇した米セールスフォース・ドットコム Marketing Cloud担当シニアバイスプレジデントのリー・ホークスレイ氏によれば、デジタルマーケティング先進国である日本は、世界的に見てもMarketing Cloudの採用率が高いという。現在、富士通やキヤノン、サントリー、リクルートスタッフィング、ディー・エヌ・エー、マガシークなどの企業に導入されている。
日本でのMarketing Cloud事業の責任者である笹俊文氏は、この1年間で百数十社のマーケティング担当者と話す中で、各社は共通の3つの課題を抱えていることが分かったと説明。Marketing Cloudであればこれらを解決できると話す。
1つ目が各部署の持つ「顧客情報の一元化」。ウェブの閲覧履歴や商品の購入履歴、実店舗での購買行動、ウェアラブル端末の運動データなどの情報を、部署をまたいで管理したいという需要だ。
2つ目が「カスタマージャーニーの自動化」。誕生日に自動で割引クーポンなどをメールで送るといった取り組みは以前からあるが、今後はさまざまな行動や日付を“トリガー”にして適切な情報を送ることが求められている。たとえば、商品を購入した2年後に自動でメールを送る、Beaconを使って顧客が来店した瞬間にお得な情報をスマートフォンに送ることなどだ。
3つ目が「マルチチャネル」。いまでもデジタルマーケティングの主流はメールだが、リアルタイムに情報を送りたいのであれば、やはりスマートフォンアプリでのプッシュ通知などが有効だ。セールスフォースでは、市場ごとのニーズに沿った機能を提供しており、日本ではいち早くLINEに対応しているとした。
7月2日には、資生堂が同社の美容ウェブサイト「ワタシプラス(watashi+)」にMarketing Cloudを導入したことも発表。資生堂では、閲覧履歴や購入履歴を一元化し、たとえば日焼け止めのサイトを見ている人にだけキャンペーン情報を送ったり、商品を使い終わる頃に自動で再購入を促すメッセージを発信。さらに、メールだけでなくLINEも活用するなど、「(上記の)3つの要素をすべて活用している」(笹氏)という。
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