(編集部注:米CNETによるAppleの新端末「iPhone 6」のレビューを前編と後編の2回に分けて翻訳して公開します。前編は9月25日に公開されています)
スマートフォンはどこまで速くなれば十分なのだろうか。2013年の理論上は恐ろしく高速な「A7」プロセッサも、十分な性能に達しているとは言えない。「iPhone 6」に搭載されている新しい「A8」プロセッサは、A7と比較すると、それほど劇的に性能が向上しているわけではない。A8はA7と同じ64ビットデュアルコアプロセッサだが、Appleは2013年の「iPhone 5s」と比べて、処理速度で25%、グラフィックスの処理で50%高速になっていると主張している。
われわれが行ったテストでは(以下のベンチマークを参照)、A8はA7よりも高速だが、その差はそれなりで、決して大きくはない。この新プロセッサが他のスマートフォンよりも上だと見る(SunSpider 1.0.2、Linpack)か、集団の中央くらいだと見る(Geekbench 3、3DMark)かは、どのベンチマークテストに注目するかで変わってくる。
ベンチマークがすべてではないが、A8は競合デバイスに比べて飛び抜けて優れているわけではない。1年前のA7よりは進歩しているが、全般的に言えば他のモバイルプロセッサの方が進歩は速いと言える。しかし、本当に重要なのは、アプリを使ったときの感触だろう。新型iPhoneのUIとアプリ起動速度は、従来通り恐ろしく速い。
本当に変わったと感じる点は、アプリが新しいディスプレイに最適化された点だろう。この点ついては、このレビューにはまだ含まれていない。また、Appleの新しいゲーム用コーディングツール「Metal」が、ベンチマークテストの数字以上に「iOS」用ゲームの性能を向上させる可能性があることも念頭に置くべきだ。
また、802.11acのWi-Fiが追加されたことと、LTEアンテナが改良されたことも歓迎できる。これによってWi-FiでもLTEでもウェブサイトの表示が高速化される。
今回は、サンフランシスコ、ニューヨーク市、ニュージャージー州モントクレア、ウィスコンシン州グリーンベイなどいくつかの場所で、AT&TのLTEを使ってiPhone 6をテストしてみた。ダウンロード速度は一般に、AT&TのLTEを使用したiPhone 5sよりもやや高速だった。アップロード速度については、もう少しよい結果が出た。Jets対Packersの試合を見に来たときに、グレーンベイの球場ランボーフィールドの駐車場で調べたところ、iPhone 6ではダウンロードが平均5.09Mbps、アップロードは10.6Mbpsだったのに対し、iPhone 5sではダウンロードが平均4.3Mbps、アップロードが平均6.2Mbpsだった。ニュージャージー州クリフトンのあるレストランで試した際は、iPhone 6ではダウンロードが平均8.3Mbps、アップロードが4.6Mbpsだったのに対し、iPhone 5sではダウンロードが平均8.4Mbps、アップロードは3.3Mbpsだった。
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