iPhoneは、多くのAndroidスマートフォンが持つ、特徴的で従来の枠を超えるような機能すべてと戦うことはできない。サムスンの「GALAXY Note 4」が持つQuad HDの超高解像度スクリーンや、最近のソニーの機種が備えている防水機能(あるいは防水のサムスン「GALAXY S5」)、交換可能なバッテリやmicroSDカード、スマートスタイラス、40メガピクセルカメラ(Nokiaの「Lumia」スマートフォンなど)、「HTC One M8」のデュアルレベルカメラフォーカスまで、iPhone 6が備えていない最先端の(あるいは単に便利な)機能は数多くある。最近のサムスン製スマートフォンが持っている省電力モードや、「Moto X」の常にユーザーの声を聴いて待機しているソフトウェアなどもそういった機能に数えるべきだろう。
だが、iPhone 6をそれらのAndroidスマートフォンと比べても、あまり意味はないかもしれない。現在「Android L」と呼ばれているGoogleの次のOSは、2014年の終わりまでにはリリースされる予定になっている。新しいiPhoneが本当に戦わなくてはならないのは、このOSだ。
しかしそれでも、iPhoneが持つ作りの質の高さ、カメラの品質、システムやグラフィックの全体的な速度、ソフトウェアとハードウェアの統合レベルの高さを打ち負かすのは容易ではない。iPhoneは同水準の競合スマートフォンに取り囲まれつつあるが、そのどれと比べても、フル機能のスマートフォンとして、パワーも使いやすさも負けていない。
ただし、バッテリ持続時間は弱点と言えるかもしれない。
Appleは極薄iPhoneを作る過程で、厚みはあるがバッテリ持続時間も長いiPhoneを検討すべきだったかもしれない。Appleの主張では、iPhone 6はiPhone 5sよりも1時間長くWi-FiやLTEを使ったウェブブラウジングができ、1時間長く動画再生ができ、4時間長く通話でき、10時間長く音楽を再生できるという。
米CNETが行っている、動画をループ再生するバッテリテストでは、機内モードに設定し、画面の輝度を半分に設定した状態で10時間38分持ったが、iPhone 5s(iOS 7)では11時間だった。普段のように、ダウンロードや頻繁なウェブブラウジング、絶え間ないソーシャルメディアのチェック、写真撮影、動画ストリーミング、そしてiPhoneでよくする作業などをしていると、バッテリの減り方はほぼiPhone 5sと同じだった。これは1日の大部分をカバーするには十分だが、新型iPhoneに期待していた、丸1日以上というバッテリ持続時間には届かない。
それには、かなりバッテリが強化されているiPhone 6 Plusが必要だ。しかしiPhone 6 Plusはサイズがはるかに大きい上に、そのバッテリ持続時間の伸び方は、2013年の「MacBook Air」で達成したような大きな飛躍ではない。ポケットに入れやすいiPhone 6で、バッテリ持続時間が延びなかったのは残念だと言わざるを得ない。あなたにはiPhone 6 Plusを買う勇気があるだろうか?筆者なら買わない。小さなスマートフォンの方が好きだからだ。買ってもよいという人も多いのかもしれない。しかし、2014年製iPhoneの本当の問題は、本当に欲しいものがこの2モデルの中間だということだ。少なくとも、新しいiPhoneは以前と同じ「Lightning」ケーブルを使用している。0%からフル充電までは2時間かかった。
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