また、iPhoneの動画撮影速度を60fpsに設定できるようになった。これによって、スピードが速い動きを撮影した場合でも、これまでよりはっきり映るようになる。スローモーション撮影では、120または240fpsに設定できるようになった。240fpsではファイルサイズがかなり大きくなるが、「マトリックス」のようなハイライト映像を撮ることもできる。さらに、パノラマモードでは、ずっとクリアな43メガピクセルの写真を撮ることができる。大きなパノラマを撮影した場合は、拡大して細かいところまで見ることもできる。
FaceTime用の前面カメラも、開口部がf2.2と大きくなり、HDRセンサが改良された。2013年に背面カメラに追加されたバーストモードが使えるようになったなど、いくつかの点で改善されている。低光量での自分撮り向けにも改善され、FaceTimeの映像もかなりよくなったように見える。劇的とは言えないが、目に見える変化だ。また、FaceTime用カメラは中央から外れ、スピーカーのやや左に移動した。最初は奇妙に見えたが、これは賢い判断だ。以前は横向きモードでビデオ電話をすると、画面の端にある自分の顔に頻繁に目をやってしまい、相手には目線がぶれて見えていていた。今回レンズと自分の顔の位置が近くに並んだことで、「ゾンビ」のような表情にならなくなったのだ。
「iPhone 6 Plus」のユーザーは、写真と動画の撮影で光学手ぶれ補正が使えるようになった。iPhone 6ユーザーはこの機能は使えず、補正力が劣るデジタル手ぶれ補正しか利用できない。光学手ぶれ補正によって、夜間や低光量での撮影でも安定するようになったことは素晴らしい。iPhone 6にこの機能がないのは残念だが、日常的に使うにはオートフォーカスが改善される方が重要であり、幸いこちらは両方とも同じものが搭載されている。
カメラの品質は改善されており、特に遠方の大きなパノラマ写真や、素早く撮影した自分撮り写真、動画撮影のときに違いが分かりやすい。また今回導入されたオートフォーカス技術によって、日常的に安定して撮影できるようになった。しかし、今回行われた改善は、iPhone 5から5sになったときに比べれば目立たないもので、iPhone 5sのユーザーであれば、それほど差は感じないだろう。
大量のストレージを使うユーザー(筆者を含む)にはいいニュースだ。Appleはようやくストレージを128Gバイトまで拡張した。ただし、これを手に入れるにはそれだけの対価を払う必要がある。199ドルのiPhone 6の容量は16Gバイトしかなく、これで我慢できるのはスマートフォンで写真を撮らないユーザーだけだろう。筆者は他の選択肢(299ドルで64Gバイト、399ドルで128Gバイト)をお勧めする。64Gバイトはかなり大きいが、動画をたくさん撮れば驚くほど簡単に埋まってしまう。もしiPhoneで動画を撮ることが多いか、アプリを大量にインストールするなら、128Gバイトモデルを購入すべきだろう。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)