高まるマーケターとデザイナーの重要性--イベント「Adobe Create Now 2014」

 アドビシステムズは6月19日、東京・六本木の六本木ヒルズでプライベートイベント「Adobe Create Now 2014」を開催した。新たに投入した「Creative Cloud 2014」に関する最新情報を紹介。Creative Cloudデスクトップアプリケーションの最新版のほか、Creative Cloudの新たなモバイルアプリやサービスなどにも触れた。同社が初めて手掛けるハードウェアとして、スタイラス「Adobe Ink」に加えて直線や真円を手軽にかけるルーラー「Adobe Slide」も発表した。

 あいさつに登壇したアドビシステムズ代表取締役社長のCraig Tegel氏は、「アドビは今から3年前にCreative Cloudにコミットした。それ以来、多くの人たちにCreative Cloudを利用していただいている。昨日発表した四半期決算では最高の決算を達成するとともに、Creative Cloudで230万人ものサブスクリプションを獲得した」と切り出した。

 米Adobe Systemsが発表した2014年会計度第2四半期(3~5月)決算によると、収益は10億7000万ドル、営業キャッシュフローは3億6800万ドル、繰延収益は過去最高の9億2900万ドルに拡大したと説明。5月末時点のCreative Cloudの有料サブスクリプション件数は230万8000件で、2月末時点に比べて、46万4000件増加しているという。

 発表したリリースで、米Adobeの社長兼最高経営責任者(CEO)であるShantanu Narayen氏は「2014年上期の好調な業績は、Creative Cloudと“Adobe Marketing Cloud”の普及が加速したことによる。今後、さらに製品の発表を控えており、下期も堅調な業績が続く」としている。

Craig Tegel氏
アドビシステムズ 代表取締役社長 Craig Tegel氏

 Tegel氏は「アドビにとっても、アドビのユーザーにとっても最もエキサイティングな時代が訪れている。Creative Cloudは、世界最高のツールとコミュニティを提供できる。Marketing Cloudでマーケター向けに包括的なソリューションを提供できる。この2つのクラウドを組み合わせることで、大きなマジックが生まれる。コンテンツクリエイションの効率を上げられるほか、組織の壁を取り除き、ビジネスに対するインパクトを最大にできる」と提供する製品の優位性を説明した。

 「5年前にオーストラリアで小規模のパイロットテストを開始したときから確信していたのは、クラウドで常に最新の状況をクリエイターに提供する大切さである。これは単に箱に入った製品をクラウドにするのではなくて、サブスクリプションを売ること、ツールをシームレスに提供し、いつでもどこでも簡単に仕事できる環境を提供できること、数年に一度のアップグレードだけでなく、継続的に提供できる」(Tegel氏)

 Tegel氏は「日本におけるイノベーションに興奮している。世界で最もクリエイティブな市場が日本である」と日本市場の重要性を明かした。

 基調講演では、米AdobeのCreative Cloudビジネス戦略とGTM(Go To Market、市場参入戦略)を担当するバイスプレジデントのMala Sharma氏が最新のCreative Cloudを説明しながら、その意義などについて触れた。

 「クリエイティブ産業はモバイル、ソーシャル、クラウドという大きな流れの中にある。CS5を発表してからの5年間で、インターネットの接続数は50%増となっている。だが、モバイル、ソーシャル、クラウドはもっと大きな成長を遂げている。ソーシャルネットワークは10倍、モバイルアプリのダウンロードは100倍に、コンテンツをクラウドに蓄積したり、共有する人の数は250倍になった」

 Sharma氏は、同社製品を取り巻く環境の変化を強調した。

 「このトレンドはひとつをとっても大きな変化だが、これが同時に起こっている。まさに地殻変動と同じだ。コンテンツを使う側が変わっているということは、作る側も変わるということになる。印刷物しか出していなかった企業がスマホやタブレット向けのデジタルコンテンツを提供し、ソーシャルに直接コンテンツを提供するといったことが始まっている」

 こうした状況の変化に応じて、考え方を変える必要があるとSharma氏は提言する。

 「マーケターは、テレビCMや雑誌だけを広告媒体と捉えるのではなく、モバイルアプリやソーシャルなどを活用した新たなエンゲージメント手法が求められている。ここで考えなくてはならないのは、競合優位性を持つために何をやらなくてはいけないのかということ、消費者に驚きを与え続けるにはどうしたらいいのかということである」

 こう語るSharma氏は「その回答のひとつがデザイン指向型のエクスペリエンスである。アドビを利用する最もクリエイティブな人たちが口を揃えていうのは、デザイン指向型のイノベーションこそが差別化につながるということ。デザイナーは経営会議にも呼ばれ、製品開発の最初の段階から関わっている。最も成功している会社は、デザイナーがリーダーとなって仕事をしている。今や会社の成功はここにかかっている」とクリエイティブの重要性を強調した。

 Sharma氏はまた、New Creatives Reportによる調査結果を示し、「クリエイターの70%が最初からモバイルアプリ向けにコンテンツを制作し、50%がモバイルデバイス上でコンテンツのアイデアを練ると回答している。77%のクリエイターが今後のビジネスで創造性とデザインがより重要性を増すと感じている。これは、デザイナーの世界が変わってきたことを示している。クリエイティブプロフェッショナルが経営の運転席に乗る時代がやってきた」と語った。

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