「iPhone」には「Siri」があり、「Android」には「Google Now」がある。そして「Windows Phone」に登場したのが「Cortana」だ。
自分の電話に向かってコマンドを言うのが好きな人ばかりではないが、好きな人にとっては、Microsoftの「Windows Phone 8.1」向けの新しい音声アシスタントであるCortanaはまさに、AppleのSiriやGoogle Nowの現実味のあるライバルであり、Microsoftにとってそれは、Windows Phone OSを最新の状態に保つために必要なものだ。
Siriと同様に、あるいは程度の差こそあれGoogleの音声アクションのように、Cortanaは音声入力や検索、アプリ起動が可能な、親しみを感じさせる(あるいはどことなく人間的な)音声操作システムだ(ゲーム「Halo」のファンなら分かるだろう。Cortanaはマスターチーフの相棒の人工知能にちなんだ名前で、その声もゲームと同じく女優のJen Taylorのものだ)。初期のベータ版の段階ではあるが、Cortanaはほとんどの点でライバルに匹敵しており、AppleやGoogleも見習えるような、ちょっとしたイノベーションも1つか2つ採用している。
Cortanaは音声アシスタントの世界に革命をもたらすわけではないものの、音声オプションの分野で、Windows搭載スマートフォンに強く求められている勢いを与えるのは間違いない。「TellMe」によって動いていた以前の世代は、性能が低く、個性もなかった。Windows Phone 8.1のあらゆる追加機能の中で、OS競争の中でのWindows Phoneの生き残りという点で最も大きな役割を果たすのはCortanaである。
Cortanaを起動するには、スクリーンの下にある「Search」という容量性ボタンを押す方法と、スマートフォンのスタートメニューかアプリトレイからアプリを手動で起動する方法の2通りある。
筆者はWindows Phone 8.1の完成直前バージョンを搭載する、Nokiaの「Lumia Icon」を使ってCortanaをテストした。Windows Phone 8.1へのOSアップデートは、「Windows Phone 8.0」搭載のすべてのスマートフォンが対象になるが、アップデート時期はメーカーや通信事業者によって異なる。例えばLumiaは夏までに、オンラインからのダウンロードでアップデートを受信する予定だ。Nokiaの「Lumia 930」「Lumia 630」「Lumia 635」のような新しいデバイスは、4月後半から5月前半にWindows Phone 8.1を搭載した状態で出荷される。また開発者は新しいOSを米国時間4月14日から受け取ることができる。
Cortanaはその(Microsoft風に言えば、彼女の)知識を、ユーザーの個人的な利用パターンや、ユーザー全体のデータベースから得る。つまり、自然言語(正確なコマンドではなく)やアクセントを理解するCortanaの能力は、利用者が増えるほど向上するということだ。
米CNETはCortanaとWindows Phone 8.1のテストユニットを、Microsoftの開発パートナーよりも先に入手した。そのため筆者のテストの結果は、より多くの人々が検索にCortanaを使うようになってから行うテストに比べると、あまり良くないかもしれない。
さらに1つ、テストを始める前に付けておきたいただし書きがある。先ほど書いたように、これは初期段階でのサマリとテストであるため、Cortanaが本格導入されるまで最終的な評価は差し控えたいということだ。
そしてもう1つ、今回はCortanaの音声機能と、SiriおよびGoogle Nowとの比較を、想定したシナリオの範囲内で実施した。Google Nowには多くの予測機能があり、カードの形で表示されるが、その点は今回の評価対象とはしない。
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