MSの音声アシスタント「Cortana」の実力は--「Siri」「Google Now」と比較 - (page 6)

Jessica Dolcourt (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2014年04月23日 07時30分

どれほどの性能なのか

 総合的に見ると、Cortanaは機能性とタスクを正確に実行する能力の両面で、既に定評のあるSiriやGoogle Nowと肩を並べている。いずれのプログラムでも、筆者が試みたすべての命令が完ぺきに実行されたわけではないが、Cortanaは、SiriやGoogle Nowと同様、一度もクラッシュしなかった。

 全体的に、Cortanaは筆者の命令を理解し、それに従ったが、騒がしい環境では苦戦し、クロストークを除去できないこともあった(ただし、これはSiriとGoogle Nowにも当てはまる)。

 理想を言えば、音声アシスタントはキーボード入力より迅速に動作すべきだ。Cortanaが1回目で命令を理解した場合は、実際にそうなることが多い。しかし、同じような要求を繰り返すよりも、手動でタスクを実行した方が早いこともあった。これはSiriとGoogle Nowにも当てはまる。

Cortanaについての総括:長所と短所

 Cortanaについては、まだまだ調べるべきことが多い。特に、ユーザー数が増えるにつれて、くだけた話し言葉や訛りを理解した後、どうなっているか調べる必要がある。

 これまでのところ、CortanaはSiriとGoogle Nowの機能を融合し、なおかつ独自のアイデアもいくつか提示している。例えば、静かな時間帯というコンセプトや、特定の人と関連付けられている場合にポップアップ表示するリマインダーなどだ。

Cortanaのシンボル(?)のような赤い同心円。
Cortanaのシンボル(?)のような赤い同心円。
提供:CNET

 とはいえ、Microsoftはいくつかの弱点を克服する必要がある。Cortanaは、情報をカード形式で整然と表示してほしいときに、Bingの検索結果リストを表示することがある。また、Cortanaが作成するあらゆるタスクをキャンセルする機能や、音声として発せられた句読点を理解できる機能、キーボード入力された検索フィールドの検索語をユーザーが編集できる機能も必要だ。

 画面上のマイクのボタンを最初にタップしなくても、Cortanaの音声コマンドを起動できるショートカットも搭載してほしい。Siriも完全にハンズフリーではないが、起動の手順は最も簡単だ。またGoogle Nowは、どのAndroidスマートフォンを利用しているかにもよるが、何もタップしなくても起動させることができる。

 Microsoftは、一連の命令を大声で叫ぶのではなく、自然な言い回しの言葉を使うという考えを宣伝しているが、ユーザーがよく話す単語や、単語を言う順番も同じくらい重要な問題だ。

 例えばCortanaは、「The next time I talk to Mom, remind me to ask about what she wants to do for her birthday(次にお母さんと話すときに、誕生日に何が欲しいか聞くのを思い出させて)」という文は理解できるが、「Remind me to ask Mom what she wants for her birthday the next time we talk(お母さんに誕生日に何が欲しいか聞くのを思い出させて。次に話すときに)」と言っても理解できない。言論の自由が限られているのはCortanaだけではない。SiriとGoogle Nowも言葉遣いについて気むずかしくなることがある。

(現時点での)結論

 Cortanaは、Microsoftが期待しているような大変革を起こすものではないかもしれない。少なくとも、現時点ではそうではない。しかし、最大のライバルであるSiriとGoogle Nowに対して、自らの立場を守るだけに留まらず、それ以上のことをしている。Microsoftは、開発者がCortanaとサードパーティー製アプリを接続することを認めるという正しい方向に進んでいるが、音声として発せられた句読点を理解できるようにするなど、目立った弱点を修正する必要もある。

 細かい問題点を別にすれば、Cortanaは幸先のいいスタートを切った。今後、真に革新的な機能を開発して、CortanaをAppleやGoogleの手が届かない次元に押し上げられるかどうかは、Microsoft次第だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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