テクノロジ業界の誰もがウェアラブルデバイスを話題にしているが、それで大成功している人はいない。今のところは。
動画を撮影するスマートメガネから電話に応答できる腕時計まで、あらゆるものが含まれるこのカテゴリーは、テクノロジ業界で過去最大規模の活気を生み出している。それには正当な理由がある。ウェアラブルデバイスがスマートフォンを追い越すまでにはまだ長い道のりがあるものの、ウェアラブル市場は今後数年で急速に成長すると予想されるからだ。
ウェアラブル市場の今後の展開について、そうしたデバイスに重要な部品を供給しているメーカー以上に優れた見識を持っている人々はいないだろう。米CNETはARM Holdings、Broadcom、Freescale、Intel、Mediatek、Qualcommの幹部に、ウェアラブルデバイスがどこに向かっているのかについて意見を聞いた。こうした企業はウェアラブルデバイスの中枢となる部品やワイヤレスチップの供給元である。この記事では彼らの意見の一部を紹介する。
今のところ、市場を独占している明確な勝者はいない。ただし多くの企業がそれを狙っている。Accentureによれば、NikeやFitbitなどのフィットネスバンドがウェアラブルデバイスの売り上げの約90%を占めているという。しかしソニーやPebbleなども、通知機能や写真撮影、アプリへのアクセスといった機能を充実させたデバイスを開発している。サムスンはスマートウォッチと大々的なマーケティングキャンペーンによって、ウェアラブルデバイス分野の首位の座につこうとしてきたが、「GALAXY Gear」の売れ行きは不明だ。一方Googleは「Google Glass」でスマートメガネに注力している。
これはどういうことだろうか。それは、サムスンのような大企業でなくてもヒット製品を作れるかもしれないということだ。例えばAppleなどにも、驚くような製品を考え出して、ほかのメーカーを一気に突き放すチャンスがたくさんある。大衆の心をつかむ魔法の配合をまだ誰も思いついていないのは明白だ。
Qualcommの次期最高経営責任者(CEO)のSteve Mollenkopf氏は「誰が勝者になるか分からない」と述べている。
ヘルストラッキングデバイスは現在、ウェアラブルデバイスの売り上げの圧倒的大部分を占めており、この傾向は今後も続く可能性が高い。ほかのデバイスが本当に成功を収めるには、具体的な消費者ニーズに訴える方法を見つける必要がある。現時点では、多くのデバイスが複雑すぎて使いにくい。
健康に特化したウェアラブルデバイスも、新しい機能が考案され、追加されていくだろう。新しいセンサを追加すれば、現在はできないようなさまざまな生体データの測定が行えるようになる。例えばレーザービームを送出することで血糖値などの値を測定する、非侵襲型血液検査センサを開発している企業がある。
BroadcomのCEOであるScott McGregor氏は、「こういった種類のセンサはわれわれの手の届くところにある」と述べている。
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