フィットネスバンドやスマートウォッチを作るのは、スマートフォンやノートPCを開発するほど複雑ではないし、費用もかからない。そしてチップメーカーはウェアラブル市場の成長を手助けしたいと考えており、そうしたデバイスをできるだけ簡単に作れるようにしようと努めている。多くのチップメーカーは、顧客が独自ブランドとして利用できるリファレンスデザインを開発してきた。必要な部品すべてを1つにまとめた電子基板なども作っている。
「こうした製品を組み合わせてまとめ上げるのは費用がかからないため、新たな企業に参入の機会が提供されている」と話すのは、ARM HoldingsのCEOであるSimon Segars氏だ。
Kickstarterは、Pebbleのような企業がゼロからスタートして、ただ1つのこと、つまり素晴らしいウェアラブルデバイスを作ることに力を注ぐのを支援してきた。そういった取り組みは続いていくが、チップメーカーは、ほかの分野を専門とする企業もウェアラブル市場に参入してくるだろうと予想している。それは例えば、血糖値モニターなどの装置を狙っているヘルスケアおよび医療機器分野の企業などだ。従来の時計メーカーも、自分たちの製品に「スマート」の要素を加えるようになるかもしれない。
市場にあるスマートウォッチの圧倒的多数は、そしてある意味ではGoogle Glassでさえも、大きくて扱いにくく、ファッションアイテムというよりはテクノロジのかたまりのように見える。企業がデザインにもっと力を入れ、もっと際立ったデバイスを作るようになれば、こうした状況は変わっていくだろう。
「ウェアラブルデバイスが広く受け入れられるには、ユーザーが本当に身に着けたいと思うような見た目でなければならない」と語るのは、Intelのモバイル事業の責任者であるMike Bell氏だ。「ウェアラブルデバイスが抱えている問題は、すべてが四角いタッチスクリーンであるということだ。長期的に考えれば間違いなく、人々はそんなものを常に身に着けていたいとは思わないだろう」(Bell氏)
企業は自社のデバイスをもっとファッショナブルにするために、既にいくつかの手段を取っている。例えばPebbleとMartianはCESで、スマートデバイスというより普通の腕時計のように見えるデバイスを発表した。またGoogleは、度付きレンズや人気のある一般的なメガネのスタイルのフレームを採用したGoogle Glassを発表している。
まったく違った製品が登場するのを期待しよう。ヘルスケアは、ウェアラブルデバイスが押し寄せてくる可能性がある分野だ。ペット(行動や生体データの新たなトラッカーなど)や玩具の分野でも、もっと多くのウェアラブルデバイスが登場するだろう。
そのほかにも、スマートフォンの性能を拡張するデバイスや、ソーシャルなやりとりができるデバイスなどが登場するだろう。例えば指輪なら、恋人が自分のをタップすると、ペアになっているもう片方が光るというような具合だ。
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