米トランプ政権で保健福祉長官を務めるロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は6月24日、ウェアラブルデバイスで全国民が自身の健康を常時モニターできる社会を目指し、同省最大のキャンペーンを実施すると発表した。
ケネディ長官が言う「ウェアラブル端末」とは、スマートウォッチやスマートバンド、スマートウェアなど、幅広い製品群を指す。こうしたデバイスは、身体のさまざまなバイタルサインや睡眠など測定できるようになっている。
たとえば最新のApple Watchには、心拍数、心拍リズムの異常、転倒事故、睡眠の質、睡眠時無呼吸症、体温変動、呼吸の状態までを検知するセンサーが備わっている。話題の新型Oura Ringも、睡眠パターンや月経周期、体温、心拍数といった健康データを高精度で追跡する機能を持っている。
最新スマートリング一覧(Amazonで価格をチェック)「ウェアラブル端末こそが、『アメリカを再び健康な国にする(MAHA:Making America Healthy Again)』という計画を実現する鍵なのです」。ケネディ長官は下院の予算会議で力強く訴えた。「私が思い描くのは、4年以内に全国民が何らかのウェアラブルを着用し、食事をするたびにそれが血糖値や心拍数など、身体にどう影響しているかをリアルタイムで把握できる社会です」
ケネディ長官はX(旧Twitter)でも「ウェアラブルによって、健康管理の主導権が再びアメリカ国民の手に戻る」と発信している。
とはいえ「ウェアラブル」という言葉は広義であり、歩数を数えるフィットネスデバイスから、就寝時に身に着ける睡眠トラッカーまで多岐にわたる。また、これらはあくまで消費者向け製品であり、医療専門家が用いるような精密なモニタリング機器の代替とはなりえない。
たとえば、最近の研究では、最高品質とされるApple Watchでさえ歩数や心拍数といった指標の精度に問題があるとされている。さらにカリフォルニア州立工科大学の研究では、Fitbit製品を含むフィットネス用トラッカーにも大きな誤差が見られたという。この研究結果は、Fitbitをめぐる訴訟の中でも証拠として使われている。
ケネディ長官が言及した血糖値モニターについては、同氏だけでなくホワイトハウスの他の高官も関心を寄せている。次期米国公衆衛生局長官に指名されているケイシー・ミーンズ博士は、血糖値測定企業「Levels」の共同創業者であり、同社はモニタリング用アプリやその他のウェルネス商品を販売している。
最後に、CNETの専門家は、ウェアラブル端末がすべての人に適しているわけではないことも指摘している。摂食障害や自身の体型に過剰に悩む人にとっては、ウェアラブルが症状を悪化させたり、不健全な考え方を助長したりする可能性があるため、使用前には必ず専門家に相談すべきだと警告している。
6000円台のシャオミ最新スマートバンド(Amazonで価格をチェック)この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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