第1位:BlackBerryは終わりか 筆者はこのリストにBlackBerryの場所を今後も確保しておこうかと思っている(同社は3年連続で、この年1回の「テック業界の出来事ワースト10」に登場している)。同社が2014年にも存在していることを、もう少し確信できればだが。 このリストにはもっと大きな企業や、広い範囲に影響が及ぶ失敗も多数掲載されているが、その影響度の大きさで言えば、かつては巨大だったこのスマートフォンメーカーには及ばない。BlackBerryのCEOだったThorsten Heins氏は、全面タッチスクリーンの「BlackBerry Z10」を、同社のOSである「BlackBerry 10」を搭載する初のデバイスとして発売するという社運を賭けた手を打った。しかしこれは見事に失敗した。 BlackBerryは 9億3400万ドルをかけて、売れ残ったZ10の在庫を処分した。これは、MicrosoftによるSurfaceの驚くような在庫調整費用を上回る。Z10はおそらく、売れ残ったPalmの「Foleo」やAtariのゲーム「E.T.」と同じ墓地に眠っているだろう。 もちろん、このリストにはほかにも失敗が掲載されているが、Z10の失敗以上に、そしてより広い意味では、BlackBerry 10というプラットフォームの失敗以上に、一企業を揺るがしたものはない。Z10で先頭に立とうという判断は、同社のキーボード搭載端末「Q10」にはあった勢いを事実上止めることになってしまった。現在、同社は基本的に消費者向け市場からは撤退しており、大企業や「パワーユーザー」に焦点を絞っている。パワーユーザーというのが誰のことかは分からないが。 暫定CEOのJohn Chen氏はリストラを行っており、Heins氏は辞職した。また、最高財務責任者(CFO)のBrian Bidulka氏、最高業務責任者(COO)のKristian Tear氏、最高マーケティング責任者(CMO)のFrank Boulben氏も退職している。Chen氏は株式非公開化の試みに失敗したBlackBerryを、ソフトウェアにより焦点をあてた企業にしたいと考えている。同氏がそのために最善を尽くすことは間違いないが、同社は最終的には分割されて、個別に売却されるだろうという見方が強い。 以上が米CNETの選ぶ2013年テック業界の出来事ワースト10だ。
提供: Sarah Tew/CNET
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