こういった事象はレビューで使用したベータ版でしか発生しないと聞かされたものの、それでも筆者は、Xbox Oneがテレビの視聴機能に介入する可能性のある点を指摘しておく必要があると感じている。筆者はXbox Oneに「Verizon FiOS」を接続して2週間ほど使ってみた結果、テレビには個別に接続した方がよいのではないかと考えている。そうするとOneGuideの使用も、ライブテレビとゲームのスナップもできなくなるが、それでもXbox Oneを使用する際にはKinectの音声コマンドが使える。
また、IRブラスタが正しく動作しない時もあった。この時、Kinectはテレビや受信機の入力を変更できなかった。つまり、すべての機器の電源を入れられるように設定している場合、それらすべての入力が適切なものになっているかどうかを手作業で確認していかなければならないというわけだ。また、入力遅延や電源投入順序をコントロールしたり、コマンドのカスタマイズを行うオプションも用意されていない。Kinectを使用してケーブルテレビのセットトップボックスを制御する場合、必然的に遅延が発生する。リモコンのボタンを押すほど俊敏な反応が得られるわけではないのである。
録画機能は基本的に存在していないと言える。というのも、ケーブルテレビのセットトップボックスに具体的な録画指示を出せるような固有コマンドが用意されていないためだ。これはXbox Oneの問題ではない。しかし現在のところ、セットトップボックスのリモコンがサポートしているさまざまなコマンドにアクセスする方法が無いため、セットトップボックスに用意されている各種の追加ナビゲーション機能を使用する場合に備えて、元からあるリモコンを手元に置いておく必要があるだろう。
技術的な側面から見た場合、Xbox Oneはセットトップボックスが出力したオリジナルのビデオ信号をそのまま通過させるが、デジタルオーディオ信号となると話は別のようである。今後のシステムアップデートで対応されない限り、Xbox Oneはセットトップボックスと受信機をじかに接続した場合に得られる5.1chドルビーデジタル信号を出力してくれない。
ライブテレビとの統合が実現されたことで、テレビと、アプリやゲームをスナップできるようになった。ついに、テレビを観ながらゲームをプレイできるようになったわけだ!しかし、ちょっとした注意点がある。まず、ユーザーの好み通りにオーディオをミックスできないし、片方だけを聴くという選択もできない。これらの音は単にミックスされるものの、筆者にはテレビの音声の方がゲームのサウンドよりも大きく感じられた。また、スナップモードを使用している際には、ライブテレビが時折引っかかるような動きを見せていた。
全体的に見た場合、ライブテレビとホームシアターとの統合を図るというXbox Oneの野望には良い点と悪い点が混在している。まるでSF映画の1シーンのように動作する場合があるものの、そうでない場合にはイライラがつのる。システムのアップデートとともに、調整や洗練がなされていくという期待はあるが、現在のところエンターテインメント空間を完全に制御できているとは感じられない。
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