「Mac OS X 10.9 Mavericks」の提供が開始された(「Mac App Store」から無料でダウンロードできる)。「iOS」の機能が取り入れているほか、「iBooks」「Apple Maps」「Finder Tabs」などが追加され、時間節約につながる機能も数多く導入されている。
「Windows 8.1」は先々週公開されたが、AppleのMavericksはMicrosoftのOSのビジョンと全く対照的だ。Microsoftが表明した意図は、デスクトップでもモバイル端末でも動作するタッチ操作中心のOSを生み出して、モバイル分野へ参入することだった。一方Appleは、これまでと同様にモバイルOSとデスクトップOSを分けているものの、ユーザーがコンピュータを使う方法を大きく変えることなく、iOSのアプリと機能を追加している。
その結果として登場したMac OSは、ユーザーが慣れ親しんだ操作性を維持しつつ、アプリがすっきりとした外観になり、以前からあったバグが修正され、さらに電力効率と反応性のためのコアテクノロジが改良された。その上で、「Safari」の新しいインターフェース要素や、ファイル管理のための新しいタグ付けシステムなど、さまざまな機能が追加されている。しかし、概要の話はここまでにして、重要な新機能をいくつか見ていこう。
新機能Finder Tabsは、大部分はSafariのタブと同じように機能する。右側にある「+」ボタンをクリックすると新しいタブが開き、ウェブブラウザと全く同じように、タブをドラッグ&ドロップで移動させることもできる。Finder Tabsによって、2つのフォルダを1つのウィンドウ内に並べられるようになり、旧バージョンのOS Xのようにファイルをコピー&ペーストするのではなく、フォルダ間でドラッグ&ドロップするだけで移動が可能だ。
Finderに複数のタブがあることで、1つのタブでDocumentsを開き、別のタブで「AirDrop」を開いて、近くにいるMacユーザーとファイルを共有するということも簡単にできるだろう。
AppleはMavericksでさらに柔軟な文書管理システムを採用し、タグを付けられるようにした。1つまたは複数のタグを検索すれば、見つけたい文書だけを探し出すことができる。その仕組みを説明すると、例えば、あるタグを「仕事」用の文書に割り当てて、「写真」には別のタグをつける。仕事のタグで検索すると、そのタグがついたアイテムがすべて表示され、写真のタグで検索すれば、ライブラリにある画像がすべて表示される。しかし、仕事と写真の両方で検索すると、表示されるのは仕事に関係のある写真だけだ。
このFinderへの機能追加は歓迎すべきもので、検索結果を絞り込む素晴らしい方法だとは思うが、有効に活用するには、自分の文書すべてに熱心にタグを追加しなければならないのは明らかだ。とはいえ、ハードドライブ内の滅多に使わない文書の検索がはるかに簡単になる。
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