Appleは米国時間10月22日、サンフランシスコで開催された同社の年次発表イベントにおいて、第5世代「iPad」にあたる「iPad Air」を発表した。より薄型かつ軽量になり、強力なプロセッサと9.7インチの「Retina Display」を搭載するiPad Airは、最も売れているタブレットのデザインと性能を多少強化させたものではあるが、期待されていたほどの、あるいはうわさで示唆されていたほどの機能追加はなかった。
実際のところAppleは、より解像度の高い大型スクリーンや画素数の多いカメラ、または、ノートブックのようなアクセサリを搭載しているようなタブレットで人々を驚かせる、という機会を逃したと言える。少なくとも今回はAppleにとって、既にあるものに磨きをかけるのではなく、技術革新の精神を取り戻すとともに何か違ったものを人々に与えるチャンスだった。
例えば「iPhone 5s」のようなゴールドモデルは登場していない。またAppleは、バイオメトリックデータを使って電話のアンロックや購入の承認を行う指紋認識センサ「Touch ID」を組み込むことについても、何も言及しなかった。さらに、多くの主要な仕様を2012年モデルから変えなかったことにより、AppleのフルサイズiPadと「iPad mini」は、iPad miniの価格が100ドル低いことを除いては、今まで以上に似たものになっている。
最初に手に取った瞬間から、「iPad Air」の軽さと薄さは、最も意味のある新機能である。iPad Airの重量は1ポンド程度(469g)で、第4世代iPadの1.44ポンド(652g)よりも軽くなっている。また、厚さは先行機種が9.4mmであったのに対して、新機種は7.5mmと極めて薄い。その変化を計算するなら、20%薄い構造になっている。ベゼル幅もかなり狭くなっていて、実際のところ、43%狭くなっている。
タブレットの重量は、それを持つ腕の疲れる速さに大きく影響する。今回のアップデートでAppleは、そのハードウェアの重さを0.4ポンド近く減らすことに何とか成功した。これは驚くべき成功だが、ユーザーが必ず気が付くものとは言えないため、ほとんど気付かれないこともあり得る。実際われわれは仕様を知っていたが、現実の生活ではiPad Airの軽さや薄さの実際の感じ方について、あらかじめ心構えをさせてくれる要素はない。
重さとしては、片手で持つのがずいぶん楽になっている。またベゼルの幅が狭くなったために、スクリーンは間違いなく大きく見えるようになった。筆者の第一印象としては、iPad Airは、iPadにとっての「iPhone 5s」のような存在だ。洗練され、軽量かつ薄型になり、全体的に改良されている。
Appleによると、内部にある新しい「A7」チップによって、iPad Airは第4世代のiPadと比べて8倍高速になっているという。ちなみに、A7はiPhone 5sで使われているものと同じ64ビットチップだ。Appleの最新のスマートフォンと同様に、iPad AirのA7チップには「M7」モーションコプロセッサが付属しており、以前のiPadよりも2倍高速なレンダリング処理を行えるグラフィックスを実現している。
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