「OS X Mavericks」の第一印象--使いやすく高速になった新OS - (page 2)

アプリのフルスクリーン表示

　フルスクリーンアプリは「OS X Lion」で最初に登場したが、ユーザーはすぐにこの機能が不完全であることに気づいた。特に複数のモニタを使う場合だ。ありがたいことにMavericksの登場で、この機能はついに本来あるべき動作をするようになった。これからは、フルスクリーンアプリを複数のモニタに表示して、アプリを楽に切り替えられる。この修正は2年前から切望されてきたものだったため、問題が解決されたのはうれしいが、Appleがなぜこれほど時間をかけたのか、疑問を感じざるを得ない。

Apple Maps

　Apple Mapsは、iOSでは前途多難なスタートを切ったが、時間が経つにつれて大幅に改善されてきている。このアプリを「MacBook Pro」で試してみたところ、トラックパッドを使って操作すれば、スムーズな動きと直感的なジェスチャコントロールができ、快適だった。すべてiOS版とほぼ同じように動作するが、コンピュータから離れる前に経路を調べておくのに便利な追加機能がいくつかある。

　Appleによると、Mac向けApple Mapsで目的地を確認してから、ほかのデバイスと経路を同期することができ、iOS版と同様に交通状況を考慮した所要時間を調べられるという。特に便利なのが、自宅で旅行を計画しておいて、素早く「iPhone」と同期し、出発後にルート案内を利用するという使い方だろう。

iPhoneと道順を同期できるようになるとともに、Maps内で3D Flyoverビューを見ることもできるようになった。
提供：Screenshot by Jason Parker/CNET

　Apple MapsはMailやContacts、Calendarにも組み込まれているため、住所があればいつでも、その場所を素早く地図上で確認し、Apple Mapsに切り替えてさらに詳しく見ることができる。

Mail内に住所の記述があると、小さな地図でその場所を確認できるオプションが表示される。クリックするとMapsに移動する。
提供：Screenshot by Jason Parker/CNET

iBooks

　iOS端末から持ち込まれた機能の1つであるiBooksは、モバイル版のiBooksにかなり似ている感じがする。この記事を書くために使っているプレビュー版ではまだiBooksを利用できないが、AppleはWWDCの基調講演で、Mac上で書籍の閲覧や購入ができると述べており、「iCloud」で同期すれば、別の端末でも読むことができ、どこまで読んだかを忘れることもないと紹介していた。また、（トラックパッドを使って）スワイプでページをめくったり、ピンチで写真を拡大したり、ページからページへとスムーズにスクロールすることもできる。多くの本を同時に好きなだけ開けるほか（学生にはありがたい機能だ）、セクションのハイライトやメモの記入も可能だ。こうした操作はすべて、所有しているiOS端末すべてで同期される。Mac向けのiBooksはiOS版と大きく変わらないように思えるが、Macユーザーがこうした機能をついに利用できるようになったのは良いことだ。

Safari

　Appleによると、Safariは以前と比べてGPUへの要求が少なくなり、使用電力が減って高速化したという。Safariに「Nitro Tiered JIT」テクノロジと「Fast Start」テクノロジが搭載されたことで、ウェブページはより素早く動くように感じられ、ウェブページや、バックグラウンドで絶えず動いているプラグインで電力を無駄にすることがないとAppleは述べている。素晴らしい話だが、筆者が2台のノートブックを並べて最新のSafariと以前のバージョンを比較してみたところ、パフォーマンスに大きな違いは見られなかった。パフォーマンスの改善は、低速の接続環境で使った場合の方がはっきり分かるのかもしれない。ただし、どのような違いが本当にあるかは、このOSをもっと詳細にレビューした際に明らかになるかもしれない。