Mavericksでは、アプリのアップデートも自動で行われ、更新作業が終わったときにNotificationsで知らせるようになっている。
ユーザー名とパスワードを管理するための素晴らしいサードパーティー製アプリは以前から数多くあったが、「iCloud Keychain」はその機能をセキュリティ強化のためにそのままMacに持ち込んだ(ユーザーがそうしたすべてのパスワードを記憶することから解放されるのは言うまでもない)。また、ウェブサイトのユーザー名とパスワードが保存され、自分のすべてのiOS端末で利用することができる。この情報はすべて、ユーザーの端末上でも、データ送信中も、256ビットAES暗号化を使用して保護される。Appleによると、同社が見ることができるのは既に暗号化されたデータだけで、(システムの設計として)Appleの側にはデータの復号鍵がないという。
人気のサードパーティー製パスワード管理アプリと同様に、iCloud Keychainもパスワードを複雑なものにするよう勧めたうえで、それらをユーザーのすべての端末に送信する。また、ログインフィールドに自動入力されるため、ユーザーはパスワードを記憶する必要がない。
Appleは米国時間10月22日、Mavericksの提供を開始した。同社のイベントで驚きの発表として伝えられたように、すべてのユーザーに無料で提供される。現在、「Snow Leopard」(2007年)のような古いOSを使っているユーザーも対象だ。「Mountain Lion」へのアップグレードには19.99ドルかかったので、筆者はMavericksでも同じだろうと予想していた。しかし、Windowsユーザーがもっと高額の料金に二の足を踏んでいるときに、Appleが新OSを無料にすると決めたのは素晴らしい動きだ。
Mac OS X Mavericksは、全面刷新ではないが、確かな基盤の上に改良が行われており、仕事や遊びに使えるさらなる新機能がiOSからMacユーザーにもたらされている。Macユーザーにとって、追加機能は間違いなくメリットとなるものであり、無料でアップグレードできることを考えると、新しい便利な機能を追加しない理由はないはずだ。しかし、MavericksはWindowsユーザーの乗り換えを促すほど意欲的なものだろうか。おそらくそうではないが、最新のMac OSの一連の機能以外にも、考慮すべきことはもっとあると思う。
MicrosoftはWindows 8.1で、タッチ操作中心のインターフェースを好まないユーザーに多少の譲歩をしたものの(「Start」ボタンを追加し、直接デスクトップを起動できるようにした)、同OSは、マウスとキーボードを使う多くのデスクトップユーザーにとっては、依然としてためらわれるものだ。正直に言うと、筆者はWindows 8.1は多くの面で優れたアップグレードだと思っているが、一部の人々には変化に対する抵抗感があることも理解している。そうした人々にとって、その変化は大きすぎて我慢できない。そのため、Mac OS Xが提供する機能に期待して、というよりもMicrosoftのビジョンに抗議してMacに乗り換えるWindowsユーザーが現れるだろう。
MavericksはMacユーザーにとって充実したアップグレードのように思える(ただし人生を変えるほどのものではない)。現在OS Xを使用している人は無料となるとなおさらだ。そして「Metro」以外の何かを探しているWindowsユーザーにとって、Mavericksへの乗り換えはこれまでよりもはるかに簡単であり、(現時点で)なじみのあるコンピューティングの方法に便利さとスピードを追加する機能が、より多く手に入ることになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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