米CNETの読者にとって、機能は見た目よりも重要なようだ。読者が魅力的な改善点に選んだのはAppleの新機能「Control Center」で、Appleが実施した全面的なデザイン変更をわずかな差で上回った。
ご存じない方のためにControl Centerについて説明しておこう。スマートフォンやタブレットの画面下部から上方向にスワイプすると、画面輝度、音量、Wi-Fiといったよく使う設定調整画面が、基本的なシステムアプリへのショートカットとともに表示される機能だ。Googleは2012年11月、「Android 4.2」の一部としてこれと非常によく似た機能を発表したが、Wi-Fi、Bluetooth、画面輝度、GPSなどをすばやく調整できるスタンドアロンのウィジェットは、2010年前半の時点で既に提供されていた。Appleはこの機能に関してはAndroidに先を行かれてしまったが、遅くなったとしても、何も提供されないよりはましだ。
一方、米CNET読者は動く壁紙には全く興味がない。見た目には魅力的な機能だが、Appleは特に大々的に紹介しているわけではなく、詳しい説明もない。ホーム画面にスクリーンセーバーのような背景を作り出すこの機能は、Androidスマートフォンでは2010年前半から搭載しているものもあるようだ。
ほかを大きく引き離して最も多く選ばれたのは、近距離無線通信(NFC)だ。NFCはかなり前からAppleのデバイスに搭載されるとうわさされており、同社もプロトタイプや特許出願でNFCの可能性を模索してきた。
多くのAndroidデバイスに搭載されているNFCは、セキュリティから決済、無線データ転送まで、さまざまな用途に利用されている。一部ではiPhone 5での採用も期待されていたが、結局は搭載されなかった。
Appleは、将来的に同社のハードウェアにNFCが搭載されるという見解をきっぱりと否定している。AppleのシニアバイスプレジデントであるPhil Schiller氏は2012年、AllThingsDとのインタビューで、NFCでできることの大半は同社の「Passbook」ソフトウェアでも実行可能だと述べた。同社は先ごろ、iOS向けの「AirDrop」を発表した。iOS 7で登場予定の同機能は、Appleが「Mac」に実装したものと同様に、Wi-Fi経由でデバイスからデバイスへとファイルを転送することができる。
アナリスト企業のGartnerが2013年6月に述べたところによると、2012年におけるNFCの普及はすべての市場で「期待外れ」だったが、今でも2016年まで普及が拡大するペースは維持しており、2016年にはすべての決済の約5%がNFCを使って行われるようになるという。Gartnerはその試算を発表する一方で、「Google Wallet」や「Isis」といった既存のNFC決算サービスの「不振」を理由に、NFC決済の全体的な予測を当初の数値から40%以上下方修正した。
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