Googleがある特許を取得した。「Google Glass」向け視線追跡センサの将来的用途を示唆するものかもしれない。その用途とは、広告だ。
米特許商標庁(USPTO)が発行したこの特許(米国特許番号8510166)において、Googleは視線追跡技術を用いた「ペイパーゲイズ」(pay per gaze:1注視あたりの料金)システムについて記述している。ヘッドセット内蔵のセンサが目の動きを追跡し、ユーザーが広告を見ると広告主が課金される仕組みだ。
特許文書によると、「広告はペイパーゲイズ方式の請求システムに登録され」た上で、「広告主はユーザーが実際に広告を見たかどうかに基づいて課金される」という。ヘッドセットユーザーの視線が単に広告をかすめただけなのか、あるいは広告を選んでしっかり見たのかを判断するため、「機械で読み取り可能なストレージメディア」を用いて、ユーザーの視線が一定時間同じ方向を向いたかどうかを検出すると、文書には書かれている。
ペイパーゲイズ方式の広告により、広告主はユーザーが実際に広告に注目したかどうかに基づいて課金されると説明する一方で、Googleはさらに次のように述べている。
ペイパーゲイズ方式の広告は、必ずしもオンライン広告限定ではなく、広告板、雑誌、新聞など従来の印刷媒体を含む、既存の広告メディアにも拡張可能だ。したがって、この視線追跡システムは、オンライン広告に普及しているシステムと同様の方法でオフライン広告を追跡、課金する仕組みを提供する。
また、いささか不気味かもしれないが、この広告方式では、広告を見た時のユーザーの「感情状態の推測」も追加料金で提供できるという。これは、企業が衝撃的なキャンペーンや議論を呼ぶキャンペーンを展開する場合に役立つ。
特許文書によると、個人のプライバシーを保護するため、「個人を特定できるデータを削除し、匿名の解析データとして広告主に提供することが可能」だという。さらに、ユーザーがペイパーゲイズ方式の広告システムをオプトアウトできる「可能性」もある。
この特許はもともと2011年に出願されたもので、「Google Glass」という名称には言及していないが、特許の請求範囲にはメガネが含まれており、「サイドアーム部分はユーザーの耳に、ノーズブリッジはユーザーの鼻にかけ、レンズを通して外部の景色を見る」との記述がある。これはGoogle Glassの説明に当てはまる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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