チップのシステム:「A7」
Appleは「Nexus 10」や「GALAXY S4」で使われているサムスンの自社製高性能プロセッサ「Exynos 5」との競合に直面していることから、Appleの使用するプロセッサも、A7が導入されて大きく改善される可能性がある。
このチップの設計はほとんど明らかになっていないが、少なくとも2つのCPUコアがあり、1.7Ghz以上のクロックを持つARMの「Cortex-A15」アーキテクチャに移行することが予想される。
iPadでクオッドコアのSoCが使用される可能性は高いが、A7がカスタム半導体を使った「ハイブリッド」チップになっても驚かない。例えば、2つ以上のより高速で動作する高クロックのARM Cortex-A15コアと、2つ以上のより小さく、電力消費が少なく、処理が遅いARMの「Cortex-A7」コアを組み合わせ、アプリをその負荷に応じて適切なコアの「クラスタ」で実行することにより、SoCの電力消費を改善するといったものだ。
このARM Holdingsがライセンスしている、「
big.LITTLE」と呼ばれるハイブリッドコア技術は、次期iPad 5とiPhone 5のA7で使用され、さらに次世代のiPadでも使われてもまったくおかしくないものだ。サムスンはすでに独自のbig.LITTLEチップとして「Exynos Octa」を発表しており、このチップは一部の国際通信キャリア(GSM)版のGALAXY S4で使用される予定になっている。
北米(CDMA)版のGALAXY S4では、クオッドコア設計であるQualcommの「Snapdragon 400」が使用されるかもしれない。
また、GPUプロセッサの処理能力は、A6Xに比べて2倍以上性能が向上する可能性が高い。これによって、PCや家庭用ゲーム機の処理能力に近づき、より高い処理性能を必要とするゲームをタブレットでプレイすることが可能になるだろうことは言うまでもない。「
PowerVR Series 6」テクノロジを使用した、8コアGPU設計というのも、考えられないことではない。