(編集部注:米CNETによる「iPad mini」のレビューを前編と後編の2回に分けて翻訳して公開します。後編は11月12日の公開を予定しています)
小型タブレット市場では、価格が決定的要素になっている。あるいは、そのように見える。しかし、それは「iPad mini」には当てはまらない。Appleの長年待ち望まれ、ようやく実現した小型タブレットは、その兄貴分である通常の第4世代iPadよりも、かなり薄くて軽い。しかもiPad miniの価格は329ドルからだが、これは「Nexus 7」やAmazonの「Kindle Fire HD」、「Nook HD」などが狙っている199ドルという価格帯よりもかなり高いものになっている。
確かに、タブレット市場は(特にメディアに関しては)拮抗している。Kindleの書籍、動画、アプリのエコシステムは、そもそもかなりのものだ。Nookはアプリやサービスでリードしている。AndroidにはGoogle Playがある。しかし、これらはいずれも、AppleのApp StoreとiTunesが持つコンテンツの幅広さにはまったく及ばない。App StoreはAppleの金鉱だと言っていいが、iPad miniの価格は、ユーザーがそれを知っていることを当てにしているように見える。その意味では、iPad miniは価格に見合う価値があるかもしれない。
しかし、本家iPadは競争相手が追随できない499ドルという価格になっている。にも関わらず、iPad miniの価格は、同様の多くの7インチタブレットよりも約130ドル高い。これは、AmazonやBarnes & Nobleから新しく発売される8.9インチタブレットよりも高いほどだ。
iPad miniは、実は「iPad 2」を小さくしたものだ。あるいは、大きな「iPod touch」と言ってもいいかもしれない。初代iPadも、多くの意味で大きなiPod touchだと言われていた。しかし、だからといって魅力が減ったわけではない。iPad miniが使われる典型的な場面を考えれば、これはラップトップの代わりというよりは、Kindleの代わりと言うべきだろう。文書や雑誌、映画、ゲームのための、コンパクトなリーダーあるいはビューワだと考えるべきだ。 あるいは、編集や制作作業にも使えるかもしれない。そして、おそろしく持ち運びに適している。
iPad miniの特長は何だろうか。それは疑いなく、デザインだろう。かわいらしく、個性的で、非常に軽い。まさしく、Appleから出たまったく新しいデバイスだと感じさせてくれる。iPad miniは軽いため、片手で持って使えるが、これはiPadではどうしても達成できなかったことだ(少なくとも長時間の利用については)。iPad miniはベッドルームで使うのに向いている。一通り機能がそろった他の7インチタブレットは、iPad miniに比べると重く、かさばって感じられる。iPad miniは、小型タブレットのデザインの新しい標準であり、iPadを新鮮に感じさせてくれる製品だ。 iPad miniを1週間使ってみたのだが、私はどこにでもこれを持ち運ぶようになった。これは、極めて中毒性が高く、使っていて楽しいデバイスだ。
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