MicrosoftはOutlook.comのデザインを「最新」で「クリーン」で「新鮮」だと表現している。言葉は大げさに使うべきではなく、正確に使うべきだが、筆者ならさらに「驚くほど美しい」という言葉を付け加えたい。直線と直角からなるデザインは、不要な要素を廃した最小限のものだ。カラーパレットでさえ、ピンクや紫もあるものの、基本的に控えめのものになっている。実際このデザインは、筆者にMies van der Rohe氏の家で見られるような、ガラスの壁や洗練された家具を思わせた。同様に、見た目でカスタマイズできる部分は、画面上部のコマンドバーの色くらいのものだ(Microsoftは18種類の色を用意している)。色や他の設定オプションには、画面右上のGmailのものに似た歯車のアイコンからアクセスできる。
Outlook.comは独自のキーボードショートカットを持っているが、YahooとGmailのキーボードショートカットも使用可能だ。これは便利な機能であり、ショートカットは自由に有効・無効を切り替えられる。カレンダー、Peopleハブ(以前の連絡先メニュー)、SkyDriveには、画面上部のドロップダウンメニュー(「Outlook」という文字列の横にある下向きの矢印)からアクセスする。機能を利用するには、該当する四角をクリックすればよい。ただし、この手順はSkyDriveとカレンダーについては十分簡単だが、連絡先リストを見るには1クリック多すぎると感じた。筆者は、左側のナビゲーションバーに、連絡先リスト用のリンクがあるべきだと思う。
驚かされるのが嫌いな人は、メッセージを開かずに中身を眺められる、プレビュー用ペインを追加することができる。これは、プレビューをGmailの「スニペット」よりも大きく表示できる。筆者はプレビュー用ペインを使うのが好きだが、これは主に、この機能を有効にすると、受信トレイとフォルダリストを別々にスクロールできるようになるからだ。プレビューペインを使わない場合、ページ全体がスクロールしてしまうが、これは受信トレイの大きさによっては使い勝手が悪くなる。Outlook.comは、受信トレイのメッセージを選択するときに、右クリックのコマンドを使える点でも優れている。Gmailの場合、右クリックしてもブラウザのデフォルトメニューが表示されるだけだ。
筆者がOutlook.comについての最初の印象を記事に書いた後、何人かの読者から、Outlook.comの「ミニマリズム」は極端すぎるという不満を聞いた。「つまらない」「地味だ」「平板だ」という言葉も聞いている。確かに、そういったコメントにも一理ある。Outlook.comはクリエイティブなサービスでも、自分の技術的な好みに合わせてあらゆることをカスタマイズしたい人向けのサービスでもない。しかし筆者の意見では、これが電子メールのあるべき姿だ。筆者はこれをコミュニケーションに使いたいのであって、見た目がよかったり、やり過ぎだったりするよりも、機能的かつ直感的なものであってほしいと考えている。Outlook.comはこの点で正しいと思うが、もっと自由が欲しいのであれば、別のものを選んだ方がいいかもしれない。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス