望むなら、ほかのメールアカウントを追加して、Outlook.comを離れずに別のアドレスからメッセージを送れるようにすることもできる。設定プロセスは簡単であり、差出人アドレスを使い分けるには、メッセージを作成しているときに、ドロップダウンメニューから差出人アドレスを選ぶだけでいい。また、Outlook.comの受信トレイでほかのアカウント宛てのメールを受け取ることもできるが、これには事前にメールの転送設定を行う必要がある。さらに、ほかのアカウントや連絡先を、POPを使ってOutlook.comに移行することまでできる。Outlook.comでは、「iOS」のようにモバイルデバイス向けの「Exchange ActiveSync」をサポートしているほか、POPを使うこともできるが、IMAPはサポートされていない。現在のところ、MicrosoftはIMAPがいつサポートされるかも発表していない。
ほかの機能には、受信トレイを検索する際の自動補完や、メールの自動転送、好きなフォルダへのメッセージのアーカイブ、不在時の自動応答などがある。携帯電話に使い捨てパスワードを送っておいて、公共端末ではそれを使ってサインインすることもできるし、削除したメッセージを復活する機能や、チャットのログや新しいメッセージの中身を保存する機能もある。
Googleの発表から8年経っているにもかかわらず、Gmailが電子メールの世界に大きな影響を与えているというのは、大したことだ。もちろん、MicrosoftがGmailに追いつくのに時間がかかりすぎたという批判には正しい面もあるが、Outlook.comは、Googleの製品と正面から戦えるだけの力を持った、初めての無料電子メールサービスだ。インターフェースはこの上なく使いやすく、SkyDriveやソーシャルメディアとの連携は機能として便利に使える水準に達しており(ユーザーが設定の手間をかける必要はあるが)、特定のメッセージを簡単にフィルタリングできる機能は、受信トレイを整理するのに非常に役立つ。写真や動画は快適に扱うことができるし、ストレージの使用に制約を設けないという約束に文句のある人などいないはずだ。さらに重要なのは、MicrosoftはGmailを真似たのではなく、独自のOutlook.comを作り上げたということだ。
Outlook.comは多くのものを実現したが、Microsoftはすでに成熟した、強力な競争相手が数多くいる市場に乗り込んだばかりだ。多くの人は、新しいサービスがオリジナルの革新的な機能を提供しない限りは、気まぐれにメールアドレスを変更したりはしない。Googleは2004年に、Gmailでそれをやってのけた。今回のMicrosoftには、その可能性がある。Googleは検索とユーティリティの統合に強みを持っており、すぐにユーザーが離れるということはないだろうが、MicrosoftがIMAPをサポートし、カレンダーを改善すれば、態度を決めかねているGmailユーザーが切り替えるのには十分だ。もしそこまではいかなくても、Outlook.comはすでに、YahooやAOL、携帯電話キャリアやケーブルテレビ会社のアカウントを使っているユーザーの目には魅力的に映るだけのサービスを提供している。そして、Microsoftのエコシステムにしっかり組み込まれている人は、当然切り替えるだけの理由があるはずだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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