Microsoftはようやく、「Gmail」の対抗馬としてふさわしいサービスの提供を始めた。含み笑いをして「しかしそれには8年もかかった」と言う前に、Gmailにはユーザーインターフェースを改善するいくつかの追加的な修正が施されたものの、Googleが2004年にサービスを開始してからあまり変わっていないことを念頭に置いておいてほしい。
Microsoftは再びウェブメールにいくつかのイノベーションを持ち込みたいと考えているようであり、今回はそれに成功していると言えるかもしれない。米国時間7月31日、同社は「Outlook.com」を発表した。これは「Hotmail」の後継サービスであると同時に、ビジネスプロフェッショナル個人向けに強化されたウェブメールでもある。このサービスは、Hotmail、「Microsoft Exchange」、そして「Windows Phone 7」と「Windows 8」のMetro UIの流れを引いている。
MicrosoftがリリースしたOutlook.comの実際に動作するプレビュー版と、Outlook.comを担当するMicrosoftの製品担当者の1人に対するインタビューに基づくわたしの意見では、一部のユーザー(特にプロフェッショナルユーザー)が、Gmailからこのサービスに切り替えたいと思うかもしれない理由が4つある。
Outlook.comの新しいイノベーションで最高のものは、わたしが「自動フォルダ」と呼んでいる機能だ。Outlook.comのシステムは、ニュースレターや、FacebookやTwitterの通知、その他の繰り返し送られてくるメールなどのよくあるメッセージに対して仮想フォルダを自動的に作成することで、メールを賢く整理しようとし、これらのメールに人間が実際に対応する必要のある重要なメールが埋もれてしまわないようにする。もちろん、一定のアルゴリズムに基づいて処理が実行されている限り、振り分けの誤りや振り分け漏れは必ず生じるし、その対策が必要になる場合もあるだろうが、わたしはこの機能のあまり人間が関与する必要がないところが気に入っている。Microsoftはまた、Outlook.comで受信トレイのルールを設定する手順も合理化しようとしている。
この新サービスについてのブログ記事の中で、MicrosoftのChris Jones氏は、この機能について次のようにまとめている。「Outlook.comは、連絡先に登録されている人からのメッセージ、ニュースレター、荷物の発送通知、ソーシャルサービスの更新情報などを自動的に整理する。また、一括処理機能を使えば、メールの移動や削除、強力なルールの設定を数クリックで行うことができるため、自分が本当に見たいメールにより素早くたどり着くことができる」
わたしがOutlook.comで気に入っているもう1つのメール管理機能は、メッセージの上にカーソルを置くことで、メールの削除や重要なメールにフラグをつけるなどの一連の処理を行うボタンが表示されることだ。カーソルを置いたときに表示される機能をカスタマイズすることさえできる。
Microsoftが2012年に新しいウェブメールを設計することの最大の利点は、モバイルへの依存度が高い、今の社会に合わせて最適化できることだ。
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