MicrosoftはOutlook.comで、新しい次元のスパム管理を提供すると約束している。まず、同社は明らかな迷惑メールや不要なメールと、「グレーメール」と呼ばれるものとを分けて考えている。グレーメールとは、ニュースレターや広告、オンライン小売店の案内などのメッセージだ。後者についての扱いは明確ではないため、通常のフィルタルールの作成を超えたツールが2つ提供されている。例えば、クリーンアップのスケジュールを使えば、一定の日時以前に受け取った(条件は指定できる)、同じ差出人からのすべてのメッセージを削除したり、すべてを1度に削除したりすることができる。
標準的なスパム対策には、迷惑メールフィルタを設定する機能や、知らない差出人からのあらゆるメッセージをブロックする機能、ドメインを指定してブロックする機能、メッセージをフィッシングメールとして指定する機能などがある。これらの場合、Microsoftは以後の同じ差出人からのメールをすべてブロックし、メーリングリストの解除を試みるとしている。さらに、知り合いの電子メールがハックされていると感じたときに、Microsoftに対して警告するというオプションまである。これを実行した場合に、実際に何が起こるかはよく分からない。また、Microsoftが登録解除を試みることによって、差出人にそのメールアドレスが実際に使用されていることが知られてしまい、迷惑メールが増えてしまうという現象が起きないのかも明らかではない。一方で同社は、登録解除を試みる際、航空会社のような正規に運営されている企業と、ナイジェリアからの宝くじ当選通知のような怪しい差出人は、区別して対処すると述べている。
また別のオプションとして、Outlook.com、Live.com、Hotmail.comドメインを使った、別名アドレスを使用するという機能も提供されている(もちろん、未使用のアドレスでなくてはならない)。これは、例えばオンラインショッピングをする際や、ウェブサイトに登録する際、主に使用している電子メールアドレスを知られたくないという場合に便利だ。
これらの機能はすべて非常に魅力的なもので、筆者の経験では効果があるようだ。ほとんどの操作は、有効に機能するためにはユーザーのコマンドによる学習が必要のようで、フィルタの効果は時間が経つほど改善される。
もちろん、これが無料のメールサービスである以上、Outlook.comを使用するときには広告が表示される。小さなテキストベースの広告が、受信トレイの右側に表示されるが、これはチャットウィンドウで隠すことができる(マウスカーソルを上に持って行くと、グラフィックを表示できる)。アカウントをFacebookやTwitterと連携させている場合(後述)、この場所には友達のFacebookの近況や、最新のツイートなどが表示され、広告は表示されなくなる。この機能は、期待通りに動作した。
より重要なのは、Microsoftが個人に合わせた広告を表示するために、メッセージを読むことはしないと宣言していることだろう。これはプライバシーの点からは重要であり、筆者もこれを重視している。筆者は、ブラジル風ステーキハウスからジャム6本セットまで、あらゆる広告を目にした。従って全体的には、かなりランダムに広告が表示されていると言っていいだろう。もし広告が嫌いなら、広告なしのバージョンにアップグレードすることもできる(米国では年間19.95ドル)。これは車のガソリン代よりは安いが、表示されないこともある、邪魔にならない四角い広告を消すために払うお金としてはかなり高い。
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