Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏は、ソフトウェア大手の同社が実際にはデバイスとサービスの企業だということを主張している。
Microsoftは米国時間1月29日、同社としての最大級の宣伝とともに、「Office」シリーズのサブスクリプションサービスを発売した。モバイル端末やウェブアプリケーションでのコンピュータ利用が増えている消費者に向けたものだ。Microsoftが発売した「Office 365 Home Premium」は、広く使われている同社の生産性ソフトウェアグループの最新製品だ。
新しいサービスは、年99.99ドルの費用で、「Word」「Excel」「PowerPoint」「OneNote」「Outlook」「Publisher」「Access」の最新バージョンへのアクセスを消費者に提供する。このライセンスでは最大5台のマシンでの利用が可能で、「SkyDrive」サービスの20Gバイトのウェブストレージ、ならびに世界中の携帯電話や固定電話に電話をかけられる60分間の「Skype」無料通話が含まれている。
MicrosoftのOffice部門でプレジデントを務めるKurt DelBene氏は、Microsoftの顧客の全員がサブスクリプションサービスを購入するようになるまでには何年もかかると認めている。結局のところ多くの人々は、自分のPCで既に所有しているOfficeに満足している。しかしDelBene氏は、最終的にはどのユーザーも、サブスクリプションサービス経由でOfficeアプリケーションを入手するようになるとも考えている。なぜなら、管理が簡単になり、自動アップグレードを利用でき、どんな端末でもOfficeを利用できるという柔軟性があるからだ。
「10年以内に、ほぼ全てのユーザーが、われわれのソフトウェアをサブスクリプションサービス経由で購入するようになるだろう」(DelBene氏)
Microsoftは、Googleのウェブベースの生産性ソフトウェアである「Google Apps」や、より小さなライバル企業による多数のニッチなアプリケーションとの間で激化しつつある競争にも直面している。
DelBene氏は1月29日のサービス開始を前に米CNETのインタビューに答えた。下記はインタビュー内容を編集したものである。
--この新製品のコアユーザーは、どのような人々だと考えていますか。
DelBene氏:家族だと考えています。このOfficeは最大5台のデバイスで使うことができます。そのため、両親と子どもたちの両方がOfficeを使用する家族を想定した場合、そうした家族は経済的な面に頭を悩ませる必要がありません。また、PCと「Mac」の両方で使うことができるので、家の中にさまざまなデバイスやPCが混在している場合にも、新しいOfficeは便利です。
さらに言いたいのは、われわれにとって非常に重要な投資分野の1つが、ITのコンシューマライゼーションと人々の働き方だということです。つまり、家庭生活と仕事を一体化させるということです。そこでわれわれが投資したのは、当初から製品の着想の中心にあったものですが、この製品をいつでもクラウドでつながった状態にすることです。つまり人々はあらゆる文書をクラウドに保存するようになるとわれわれは期待しています。サブスクリプションサービスでは、ユーザーがどこにいようとも、コンテンツが(ユーザーに)合わせて移動するという構想を真に実現するために、ユーザーのクラウドストレージ容量を3倍にする予定です。
われわれはSkypeにも投資しており、SkypeをOfficeと連携させることについて非常に意欲的です。Office 365のサブスクリプションサービスの一環として、60分間のSkype通話を提供しています。
--家族について話されたのは興味深いと思います。家族のいる消費者として自分は、「サブスクリプションを利用しない」ほうに近づきつつある気がしています。このサービスのために年間100ドルほどの金額を割くことが良い考えである、と家族を持つ人々に納得してもらうには、どうしたらよいでしょうか。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス