刷新された「Office 2013」レビュー--タッチ操作に対応、サブスクリプションモデル導入など - (page 5)

Jason Parker (CNET News) 翻訳校正: 石橋啓一郎2013年02月07日 07時45分

 改善されたのは、よく使われるOfficeソフトウェアだけではない。Office 2013では、自分が作成したコンテンツをPublisherで再利用する方法や、Accessで(データベースの経験がほとんどなくても)カスタムデータベースを作成する方法が追加されている。Publisherでは、自分のコンテンツを集めて、パンフレットやチラシ、カレンダー、ポスターなどの中でレイアウトするのが簡単になった。簡単に画像を取り込み、それをクリックアンドドラッグで動かして、見栄えよくすることができる。テキストにスタイリッシュな効果を与える機能や、柔らかい影や反射を付ける機能もあり、プロジェクトにプロフェッショナルな外見を与えてくれる。作業が終わった後で、作ったものをプリントショップに持ち込むのも簡単になっている。標準に準拠したレイアウトやよく使われる画像ファイルフォーマットを使い、印刷する側で特別なソフトウェアが必要ないよう配慮されているのだ。

 Accessでは、トレーニングなしで利用できる強力なデータベースツールが手に入る。複雑な顧客の連絡先リストを作成したり、あらかじめ用意されているプロジェクト管理ツールを使うことができるほか、Accessには多くのテンプレートが用意されており、作業をゼロから始める必要がない。Office 365 Home Premiumのほかのソフトウェアと同じで、Accessでも作業を始める一般的な形式が用意されており、空いている部分を自分のコンテンツとデータで埋めるだけで済むようになっている。

提供:Jason Parker/CNET
新しいOfficeをタッチスクリーンに対応させるため、多数の最も一般的なタスクを何度かクリックするだけでできるよう整理されている。「Excel」の新機能の1つに、データを強調できたり、データを表す最適なチャートやグラフを提示するというものがある。
提供:Jason Parker/CNET

Officeとクラウドの統合

 サブスクリプションサービスのOffice 365は5台のマシンでしか使えないが、普段使っているデバイスから離れた場所では、「Office on Demand」という別の新機能が利用できる。この機能は、Windows 7以降が動いているPCで、必要なソフトフェア(たとえばWordやExcel)のコピーをダウンロードし、普段使っているのと同じように最近使った文書を表示できるというものだ。文書の修正や編集が終わったら、アプリケーションを閉じれば、ソフトウェアごと作業していたPCから削除される。

結論

 Office 365 Home Premiumは、個人が利用するすべての作業をカバーしようとするもので、私のテストでは非常に素晴らしい働きをした。Windows 8タブレットでOfficeを利用できるようにするために、Microsoftは必要に迫られてスイート全体にわたって多くの操作を簡略化したため、使っているのがどのようなデバイスであっても、全体的に使いやすくなっている。

 サブスクリプションベースのサービスは受け入れられないという人もいるだろうが、スタンドアロン版のOffice 2013をダウンロードするという選択肢も残されている。その場合の問題は、Office on Demandなどの気の利いたクラウド機能を使えないということと、いずれ提供されるであろうアップデートを受けられないということだけだ。Microsoftは、明らかにユーザーにOfficeに継続的にお金を払わせたいと思っているが、サブスクリプションモデルに移行する人が主流になるかどうかは未知数だ。

 問題は、(Windows 8のリリースの時と同じように)ユーザーが新しいインターフェースをどう捉えるか、そしてユーザーがタッチスクリーン技術を使うようになるかということだろう。結果として、Windows 8タブレットの購入が増えるのか、それとも新しい技術は無視され、デスクトップが使われ続けるのか。幸運なことに、Officeはタッチスクリーンでもデスクトップコンピュータでも快適に使えるため、使う側が今すぐ判断する必要はない。

 もう1つの大きな問題は、消費者が合理化されたOfficeの体験を好むのか、Google Docsなどの無料の生産性スイートを選ぶのかということだ。Officeは全体としてよりよい体験を提供しているが、多くの人にとって費用が決定的な要因であることは秘密でも何でもない。これまで私が見たところでは、このバージョンは一般ユーザーにとってMicrosoftの過去最高のOfficeスイートだ。同社が、このより洗練され、統合され、クラウドとの相性がよく、合理化されたOfficeの体験で、他の無料の選択肢を捨てさせることができればの話だが。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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