マイクロソフトの「Surface with Windows RT」レビュー--革新的なタブレット(後編)

Eric Franklin (CNET News) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2012年11月13日 07時30分

(編集部注:米CNETによる「Surface with Windows RT」のレビューを前編と後編の2回に分けて翻訳して公開します。前編は11月6日に公開されています

 「Metro」の画面、、、いや「スタート」画面を見てみよう。ところで、このインターフェースは何という名前で呼べばよいのだろうか?

 「Surface with Windows RT」には、その名が示すとおり「Windows RT」が搭載されている。そして2013年早々に登場する「Surface with Windows 8 Pro」は「Windows 8」のフルバージョンが搭載された製品だ。Windows RTは2つの異なったインターフェースで構成されている。1つは「スタート」画面をはじめとするタイルベースのインターフェース(以前は「Metro」と呼ばれていた)、そしてもう1つは従来のWindowsインターフェースとよく似た「デスクトップ」インターフェースである。デスクトップには、今までのWindowsで慣れ親しんできたコントロールパネルや設定が数多く含まれており、「Internet Explorer(IE)10」の見た目を「IE 9」風にしたバージョンと、「Office 2013」の無償プレビュー版が搭載されている。しかし、新たなアプリをデスクトップインターフェース上にインストールすることはできない。

 Microsoftは同社の新インターフェースを「Metro」と呼ばなくなった(そして新しい名前を付けていない)ものの、本記事では分かりやすさを優先し、Metroと表現することにする。もしもあなたが「Xbox 360」を持っているのであれば、Metroの外観には親しみを感じるはずだ。各アプリはタイルとして表現され、各タイルはグループ別に配置できる。また、グループをズームアウトして一望したうえでグループ名をつけることもできる。さらにタイルは小さくしたり大きくしたりもできる。

提供:Eric Franklin/CNET
「チャーム」上には、オープンしているアプリのコンテキストに従った情報やオプションが表示される。
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 右側のベゼルから画面内側に向かってスワイプすると、「検索」「共有」「スタート」「デバイス」「設定」からなる「チャーム」が表示される。チャームの内容はコンテキストによって変わってくるため、例えば「設定」を選択した場合、オープンしているアプリに特化した設定内容が表示される。

 また、左側のベゼルから画面内側に向かってスワイプすると、直近のアプリが表示され、右にスワイプした状態からそのまま左にスワイプすると、最近使用したアプリの一覧が表示される。一方、上下いずれかのベゼルから画面中央に向かってスワイプすると、画面下部にアプリの付加的なオプションが表示される。そして上側のベゼルから下側のベゼルに向かってスワイプすると、アプリがクローズされる。

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画面の分割によって生産性が向上する。
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 こういったインターフェースは、他のタブレットのそれとは大きく異なっており、新たに学ぶことは多いと言える。このため、一部のユーザーは途方に暮れてしまうかもしれないが(私はそうだった)、慣れるに従ってこれがタブレット向けのエレガントなインターフェースであると納得できるようになるはずだ。

 チャームから「検索」を選択すると、現在オープンしているアプリ内での検索が可能になる。「共有」を選択すると、現在オープンしているアプリが提供している情報を手早く電子メールで送信したり、「People」というソーシャルアプリ(TwitterとFacebookも統合されている)を使ってソーシャルネットワークとの情報共有を行えるようになる。また「スタート」を選択すると、スタート画面と、オープンしていた直近のアプリ画面の切り替えを行うことができる。さらに「デバイス」を選択すると、このタブレットに接続されており、現在オープンしているアプリとやり取りできるmicroSDカードやプリンタといったハードウェアの一覧が表示される。

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Metro全体の設定は「PC設定」から行うようになっている。この画面から設定できる内容をさらに充実させ、デスクトップのコントロールパネルを使用しなくても済むようにしてほしい。
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 そして最後に、「設定」によって現在オープンしているアプリの設定や、Wi-Fi接続の基本設定、ボリュームや画面の明るさの調整を行うことができる。また、このメニューから「PC設定」を利用することもできる。設定項目の大半はひと目見るだけで分かるものとなっているが、どこか系統立っていないところもある。例えば、「全般」のリストは少し乱雑なものとなっており、その設定のほとんどは「キーボード」や「タイピング」という分類で整理できると感じられた。

 また、スリープするまでの時間などの設定は、たいていのタブレットでは簡単にアクセスできるようになっているものの、Windows 8ではデスクトップのコントロールパネルからアクセスするようになっている。デスクトップを再設計し、タッチインターフェースに統合するのであれば、それでも別に構わない。しかし現在のところ、従来型のWindowsインターフェースを通じてしか設定できないというのは少し残念だ。

提供:Eric Franklin/CNET
こういったオプションは、デスクトップのコントロールパネルを立ち上げなくても変更できるよう、Metroインターフェースに統合してほしい。
提供:Eric Franklin/CNET

 また、使い道の見当たらないWindows機能が一部に残されている。例えばコントロールパネルの「プログラムと機能」は、無意味なものと言えるだろう。デスクトップにプログラムをインストールできない以上、インストールされているプログラムの一覧を管理する理由などないというわけだ。さらに細かい点について言えば、そもそもデスクトップというモードはなぜ必要なのだろうか?OfficeをMetro環境で実行することはできないのだろうか?

 筆者はそういったことが可能であると考えているし、Microsoftが従来のWindows環境とさらに距離を置くようになることを待ち望んでいる。Surfaceや、ARMを搭載したその他のWindowsタブレットは、そういった方向に進んでいくべきだ。

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