Windows RTにはデスクトップ版とMetro版という、2つのIE 10が搭載されている。デスクトップ版のインターフェースやオプションは、「Windows 7」上で動作するIE 9のものとよく似ている。なお、Metro版はWindows RTとWindows 8でのみ利用可能となっている。
Metro版のIE 10は、世の中に出回っている多くのブラウザと比較してみても少し変わった見た目となっている。アドレスバーが画面の上部ではなく下部に表示されるうえ、アドレスバーやオープンしているタブはベゼルの上部や下部をスワイプしない限り表示されない。また、「フリップ」と呼ばれるクールな機能が搭載されており、ユーザーはリンクを一切クリックすることなく、スワイプだけで複数ページにまたがったウェブサイトの記事を読み進められるようになっている。
速度について正直なところを述べると、IE 10は速いとは言い難い。iPadの「Safari」と比べると、それが顕著に感じられる。ロード時間で比較すると、Collider.comやFOX.com、ComicBookMovie.comといったサイトではSafariの方が最大で9秒速かったものの、NBC.comといったページではいずれも同じくらい高速であった。このため筆者の全体的な印象を述べると、IE 10の速度は十分速いと言える場合もあるものの、たいていの場合は少し待たされ気味であると感じる。また、ページが完全にロードされるまで、リンクはページ内で見えていてもクリックできず、ページのスクロールも行えない。ページ内のリンクが表示されるまで、既にいくらか待たされている場合、完全にロードされるまでリンクをクリックできないというのは少しつらいものがある。
最後に、Flashの使用は、Microsoftが認めたサイトに限定されており、これまでのところMicrosoftが認めたサイトはほんの少ししかない。あなたが現在使用しているノートPCをSurfaceに置き換えようと考えているのであれば、この点は頭に入れておくべきだろう。
Microsoft Surface | ASUS Transformer Pad Infinity TF700 | Apple iPad(第3世代) | サムスン電子 GALAXY Note 10.1 | |
---|---|---|---|---|
CNET.comのロード(秒) | 10.43 | 7.87 | 4.18 | 4.72 |
ComicBookMovie.comのロード(秒) | 7.12 | 8.45 | 6.74 | 6.52 |
Surfaceは広視野角で高輝度、かつ高コントラスト比のIPS液晶を搭載している。しかしその色合いは、iPadや「Transformer Pad Infinity」を使って同じウェブサイトを表示させた際に比べると若干見劣りする。
Surfaceの解像度はこれら2製品と比べると低いものの、テキストの明瞭さという点ではほんの少しの違いしかない。目をこらして探せば、違いを見つけ出せるものの、画像の表示が十分明瞭である点を考えると、Microsoftの努力は報われていると言えるだろう。
テスト対象スペック | Microsoft Surface | ASUS Transformer Pad Infinity TF700 | Apple iPad(第3世代) | サムスン電子 GALAXY Note 10.1 |
---|---|---|---|---|
最大輝度:IPSモード(Super IPS) | 391cd/m2 | 422cd/m2 (644cd/m2) | 455cd/m2 | 411cd/m2 |
デフォルトの輝度 | 148cd/m2 | 112cd/m2 | 160cd/m2 | 175cd/m2 |
最大黒レベル:IPSモード(Super IPS) | 0.27cd/m2 | 0.34cd/m2 (0.53cd/m2) | 0.49cd/m2 | 0.47cd/m2 |
デフォルトの黒レベル | 0.10cd/m2 | 0.10cd/m2 | 0.17cd/m2 | 0.22cd/m2 |
デフォルトのコントラスト比 | 1480:1 | 933:1 | 941:1 | 874:1 |
最大コントラスト比:IPSモード(Super IPS) | 1448:1 | 1241:1 (1215:1) | 939:1 | 795:1 |
スタート画面をスクロールさせようとスワイプしたところ、誤ってアプリを起動してしまうという当惑するようなことも結構あったものの、それ以外では画面のスワイプにまつわる問題はなかった。また、Windowsボタンを押すと、振動によるフィードバックが得られるものの、期待通りに動作しないために、もう一度ボタンを押さなければならない場合も時々あった。
アプリのロードは、筆者が使い慣れている環境のそれよりも時間がかかり、改善の余地が残されているように感じられた。また筆者が使用した際には、パフォーマンスに影響を与えるバグがいくつか残っており、設定の変更を行ってもタブレットを再起動するまでその変更が適用されなかったこともあった。さらに、カーソルの消失を含む、再起動が必要となる応答の遅延もあった。
「Riptide GP」はWindows Storeでは提供されていないため、筆者は「Hydro Thunder Hurricane」というとてもよく似たゲームを使用して3Dのパフォーマンスをテストしてみた。このゲームではRiptide GPとよく似た水しぶきエフェクトが実現されており、そのフレームレートは25fpsを超えていたものの、「Tegra 3」プロセッサを搭載したAndroidタブレットでRiptide GPを実行した際の平均フレームレートよりは低いようであった。とは言うものの、同じゲームをそれぞれのプラットフォーム上で実行するまでは、公正なパフォーマンス評価は難しいだろう。
前面と背面のカメラは、動画や静止画を撮影するには十分な性能となっている。極めて素晴らしいというわけではないが、目的はしっかり果たすことができる。
バッテリは、輝度を33%に落としている場合でも、数時間激しい処理を実行すると割とすぐに消耗してしまうようだ。
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