ニューヨーク発 --新しいMicrosoftの「Surface」がタブレット分野で、とりわけAppleの「iPad」に対してどれだけ健闘できるのか、ということについてはさまざまな憶測がなされてきた。
しかし、仮に多くの消費者がSurfaceに飛びついたとしても、それはSurfaceがiPadの代替品だからではない。MicrosoftがSurfaceに対して抱いているビジョンは、従来のタブレット市場をはるかに越えたところを見据えている。Microsoftは文書の作成や写真への注釈追加といった作業のためにSurface用キーボードを設計しており、消費者がそれを使いたくなることに賭けている。
とはいえ、Surfaceは、本当の意味でのノートPCでもない。ニューヨークの同社ストアでは米国時間10月25日午後10時、それ以外の場所では26日午前12時01分に発売されるバージョンは、「Windows」のレガシーアプリケーションの大半を実行することができない。そして、もちろん、キーボードを使わなくてもウェブサーフィンや動画視聴を行うことができる。
MicrosoftのWindows担当プレジデントであるSteven Sinofsky氏はローンチイベントで、「Surfaceはタブレットなのか。それともノートPCなのか。どのカテゴリに分類されるのか。それは単なるタブレットではないが、わたしが今までに使った中で最高のタブレットだ。それは単なるノートPCではないが、わたしが今までに使った中で最高のノートPCだ」と述べた。
もしMicrosoftが現実に成功を収めれば、同社は新たなカテゴリを生み出すことになるだろう。SurfaceはタブレットとノートPCの中間に存在する。
GartnerのアナリストであるMichael Gartenberg氏は、「Surfaceは、Appleが提示してきたものとは異なるコンピューティングビジョンの製品だ。Surfaceは新しいデバイスカテゴリである。それは、Microsoftのコンピューティングビジョンが進化したものだ」と述べた。
それによって、Microsoftは新たな課題に直面している。同社は、Surfaceが例えばiPadより優れている理由を消費者に説明する必要がある。AppleはこれまでにiPadを1億台以上販売している。
Gartenberg氏は、「ほかと違うことがなぜ良いことなのかをMicrosoftは説明しなければならなくなった」と話す。
販売担当者の仕事の大半は、新しいSurfaceに詰め込まれた熟練の技術をアピールすることになるだろう。MicrosoftのSurfaceチームのゼネラルマネージャーを務めるPanos Panay氏は25日、「Touch Cover」キーボードをSurfaceに装着する方法について、非常に詳細に説明した。また、動画視聴時にSurfaceを支えることができるキックスタンドの3つのカスタムヒンジについて、解説した。
「Surfaceがいかに値打ちがあるものなのかを購入者に理解してもらえるようにしたい、とわれわれは考えている」(Panay氏)
こうした機能のおかげで、製品はタブレットの少し上をゆき、ノートPCの少し下をゆくものになっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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