IRACによって、有名なオリオン星雲の中に、多くの別の若い恒星や、星形成活動が行われている長いフィラメント構造が存在していることが明らかになった。NASAによれば、このフィラメント構造にはまだ形成途上の若い原始星が多数含まれているという。
IRACは4つの異なる検出器を備えた4チャンネルカメラで、各検出器は特定波長の光を測定している。このカメラで同時撮影を行う場合には、3.6ミクロン、4.5ミクロン、5.8ミクロン、8.0ミクロンの波長を記録する。
カメラを正常に動作させるために、液体ヘリウムのタンクが冷却装置の役割を果たす。低温の蒸気を発生させて、一連の観測装置全体をおよそ摂氏マイナス268度に冷却する。
しかしその液体ヘリウム冷却装置の冷却能力を使い果たした今、IRACはSpitzer宇宙望遠鏡の4つある観測装置の中で唯一機能し続けている装置だ。IRACの5.8ミクロンと8.0ミクロンの検出器は温度が上がりすぎて正常に作動しないが、3.6ミクロンと4.5ミクロンの検出器は、今後数年はピークパフォーマンスで動作する見込みだ。
Spitzer宇宙望遠鏡がその液体ヘリウム冷却液を使い切り、「コールド」ミッションを完了した時点で、IARCの「ウォーム」ミッションが始まった。
提供:NASA / JPL-Caltech / Univ. of Toledo