GoogleとMicrosoftの提案の違いの1つとして、構文に関することが挙げられるが、Belshe氏によれば、SPDYの開発者はその点と圧縮テクノロジの選択に関しては柔軟な考えを持っているという。
それよりも大きな相違点は、SPDYがウェブサーバからその通信相手であるブラウザまで、すべての経路で暗号化接続を求めていることだ。Microsoftの見解は異なる。同社の提案は以下のとおりだ。
HTTP 2.0が一定のシナリオや規則を満たせるようにするためには、暗号化は任意でなければならない。HTTP 2.0はHTTP 1.Xに完全に取って代わるものだ。そして、TLSが必要とされない(または許可されない)インスタンスも存在する。例えば、「日々の雑感」のためのWebサービスや、数秒ごとに温度を測定するセンサに暗号化の必要性はほとんどない。
ただし、Belshe氏によれば、ユーザーは暗号化に関心を抱いているといい、最新の携帯電話が暗号化を処理できるという事実は、ほかのデバイスでも暗号化を使用できることを意味している。ブラウザからウェブサーバまでのすべてのチャネルを暗号化すると、ウェブパフォーマンスを高速化するために中間サーバにデータをキャッシュするコンテンツ配信ネットワークの事業に損害が及ぶ可能性はあるものの、ユーザーのことを最優先に考えるべきだと同氏は述べる。
「ユーザーは、誰かが中間で何かをキャッシュできるかどうかということよりも、プライバシーとセキュリティのことを気にかけている。セキュリティは無料ではないが、ユーザーにとっては無料になるよう調整することができる」(Belshe氏)
Willy Tarreau氏がプレゼンテーションを行った「Network-Friendly HTTP Upgrade」と呼ばれる3つめの提案は、そうした中間ネットワークデバイスを念頭に置いて設計されている。しかし、この提案もネットワーク接続のマルチプレクシングを必要とする。
IETFは、合意の得られた要素を実装し、そのほかの分野は様子を見ることも可能だ、とReschke氏は述べた。「新しいHTTPの導入には多くの費用がかかるが、段階的にでも改善を施す方が何も改善しないより良い」(同氏)
そして、改善は実現するだろうと同氏は予測する。
「われわれは標準化を目指している。もうそれを行うべき時がきている。実現しなければならない」(Reschke氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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