ウェブ上のあらゆるデバイスに影響する標準を再構築するのは困難な作業だ。しかし、その作業の中心には1つの単純な合い言葉がある。スピードだ。
ウェブページの応答速度が上がることは、ウェブを使用するすべての人にとってもちろん良いことだが、ビジネス上の理由も存在する。パフォーマンスが向上すれば、ページ滞在時間が延び、Eコマース取引や検索、活動への参加は増加することが分かっている。
HTTPは、20年以上前に初のワールドワイドウェブを考案したTim Berners-Lee氏とその同僚の開発者たちが設計したものだ。HTTPの役割は単純である。ブラウザはHTTPを使ってウェブページを要求し、ウェブサーバはその要求に応答して、データをブラウザに送信する。そのデータは、ページを記述するHypertext Markup Language(HTML)、フォーマットやある程度の視覚効果を設定できるCascading Style Sheets(CSS)、JavaScriptプログラミング言語などのテクノロジを使って構築された、実際のウェブページから成っている。
ウェブ開発者は、ウェブページのコードを注意深く最適化することで、パフォーマンスを大幅に向上させることができる。しかし、HTTP自体を改善することで、利用者すべてが速度の向上を自動的に享受できるようになる。
したがって、HTTPワーキンググループの新しい憲章の最初の項目が「実感できるパフォーマンス向上」であることは、決して偶然ではない。
HTTPを高速化するSPDYのテクノロジには、単一のネットワーク接続で複数のデータストリームを送信できる「マルチプレクシング」や、サーバから要求されているウェブページリソースに高低の優先順位を割り当てる機能、リソースの要求および応答の通信に付随する「ヘッダー」情報の圧縮などが含まれる。
Microsoftの提案を提示し、その開発を支援したGabriel Montenegro氏はインタビューで、同氏の提案に含まれる4つの要点のうち2つはSPDYのアプローチを採用したものであると指摘した。
加えて、SPDYの共同開発者であるMike Belshe氏は、「MicrosoftとGoogleの提案はほぼ同じである」と述べた。Belshe氏はGoogleでSPDYの開発に寄与したが、現在は新興企業のTwistに場所を移し、モバイルアプリ向けの同テクノロジの開発に継続して取り組んでいる。
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