HTTP高速化に向けて始動したIETF--HTTP 2.0の設計めぐり議論

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年04月04日 07時30分

 パリ発--ウェブの最も基礎的なレベルにあり、大きな影響力を持つハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)標準の全面的な見直しに関して、エンジニアたちは最初の大きな一歩を踏み出した。

 当地で現地時間3月29日に開催されたインターネット技術タスクフォース(Internet Engineering Task Force:IETF)の会議で、HTTPを監督するワーキンググループが、HTTPを高速化する方法についての議論を正式に開始した。その話し合いでは、Googleが開発し既に実用されている「SPDY」や、Microsoftが開発し3月28日に発表した「HTTP Speed+Mobility」など、HTTP 2.0のための4種類の具体的な提案のプレゼンテーションも行われた。

 これまでに出てきたHTTP 2.0に関する諸提案には、いくつかの相違点がある。例えば、Googleは暗号化を必須にしたいのに対し、Microsoftはそれを任意にすることを望んでいる。また、あと2カ月半の間は、新たな提案の提出も可能だ。しかし、これらの提案には多くの類似点があること、特にMicrosoftがSPDYのいくつかの機能をサポートしていることは注目すべきだろう。

 GreenbytesのコンサルタントのJulian Reschke氏は、「重なり合う部分は多い。調整すべきものは何かということについては、多くの点で合意が得られている」と述べた。同氏は今回の会議の出席者で、ウェブ標準のさまざまな問題にかかわっている。

 SPDYは市場で非常に幸先の良いスタートを切った。同プロトコルは「Google Chrome」と「Amazon Silk」の2つのブラウザに組み込まれており、数週間のうちに「Firefox」でも採用される予定だ。インターネット接続を隔てた向こう側では、GoogleやAmazon、Twitterなどが自社サーバ上でSPDYを使用している。また、Googleは同テクノロジの速度面での利点を示す信頼性の高いデータを有している。

 このHTTPワーキンググループの議長であるMark Nottingham氏は、「Elephant, meet Room」(PDFファイル)と題されたプレゼンテーションスライドで、SPDYの立場を認めた。ただし同氏は、SPDYがまだ勝利を収めたわけではないということも慎重に指摘している。

 Nottingham氏はプレゼンテーションの中で、「われわれがSPDYについて論じるのは、それが既に存在するからだ。しかし、ほかの提案についても、話し合われる」と話し、「われわれがSPDYを出発点として選択したとしても、それが今後変わらないわけではない」と付け加えた。

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