Microsoftは、重要性が増しそうなウェブ高速化技術をGoogleの一人舞台にしておきたくないようだ。
Microsoftは米国時間3月25日夜、同社が「HTTP Speed+Mobility」と呼ぶ技術でHTTPを改良する計画を発表した。GoogleはHTTPを高速化する「SPDY」と呼ばれるアイデアをすでに提案しており、新たなHTTP 2.0の策定作業に着手しようとしている標準化組織Internet Engineering Task Force(IETF)内にも、これを支持する貴重な味方がいる。
だが、Microsoftもここに一枚加わろうとしている。同社は、SPDYも悪くないがブラウザとウェブサーバの間の新しい高速通信リンクWebSocketを使ってSPDYを強化したいと考えている。WebSocketは、若干の遅れはあったものの、2011年からブラウザに実装され始めた。
Microsoftは、モバイルアプリケーションでもパフォーマンス向上の恩恵を受けられるよう、SPDYを拡張したいと考えている。MicrosoftでWindows Core Networkingグループのプログラムマネージャーを務めるSandeep Singhal氏とInteroperability Strategy担当ゼネラルマネージャーを務めるJean Paoli氏は、HTTP Speed+Mobilityに関するブログ投稿で次のように述べた。「われわれは、ブラウザだけでなくアプリケーションも高速化するべきだと考えている。人々がウェブサービスにアクセスする手段としては、ブラウザ以外にアプリケーションの占める割合がますます高まっている」。
Googleのアプローチとの関係について、2人のMicrosoft幹部は次のように述べている。
HTTP Speed+Mobilityの提案は、GoogleのSPDYプロトコル(この議論において別途IETFに提出された仕様)と、業界がWebSocketに関して進めてきた取り組みの両方を出発点としている。
SPDYは、ウェブパフォーマンスに関する意識を高め、「まったくの白紙状態」からウェブ高速化を目指してHTTPを改良するという素晴らしい仕事を成し遂げた。SPDYとの大きな違いは、モバイル端末やモバイルアプリケーションのニーズに対応することだ。
両氏は、GoogleとSPDYを意識したと思われるコメントとして、「われわれは、HTTP 2.0の設計をめぐるIETFでの活発かつオープンな議論を楽しみにしている」とも述べている。
このブログ投稿のタイミングは偶然ではない。IETFは、多くの標準について議論する会議を3月の第5週に開催する予定だが、3月29日に行われるHTTP 2.0に関するセッションは、間違いなく重要なセッションの1つだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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