おそらくはテクノロジ業界の大手ライバル企業による特許訴訟攻撃から身を守るため、Googleは125億ドルを費やしてモバイルハンドセットメーカーのMotorola Mobilityを買収することになった。
Googleは米国時間8月15日、モバイルハンドセットメーカーのMotorolaを1株あたり40ドルで買収すると発表し、テクノロジ業界を震撼させた。1株あたり40ドルというのは、12日終値時点のMotorola Mobilityの株価に63%プレミアムを乗せた計算になる。
Googleの最高財務責任者(CFO)であるPatrick Pichette氏はMotorola事業について、Googleの中核を占める検索およびソフトウェア事業とは別に運営されることになると述べたが、今回の買収によって、同社の関心が、核となる能力であるソフトウェア開発から離れてしまう可能性もある。Googleは今後、従来の事業に加えて、ハードウェア製造業にも取り組まなければならなくなった。
80年にわたり事業を続けているMotorolaは、現在の市場で最古の携帯電話メーカーの1つだ。実際、同社は最初の商用携帯電話を開発している。GoogleにとってMotorolaが魅力的な買収ターゲットになったのは、おそらくMotorolaが携帯電話およびモバイル通信事業において、そうした長い歴史を持っているからだろう。Motorolaはうらやましいほどの知的財産の宝の山を持ち、それは、巨大なテクノロジ企業たちからの増大する特許訴訟攻撃に「Android」が対抗する上で助けとなる可能性がある。
Googleの最高経営責任者(CEO)であるLarry Page氏は今回の買収を説明するブログ投稿で、Motorolaの強力な特許ポートフォリオが買収を決める上で大きな要素になったと述べた。
「われわれは先日、MicrosoftとAppleを含むさまざまな企業が結託して、Androidに対する反競争的な特許訴訟攻撃を仕掛けていることを説明した。先ごろのある特許オークションの結果を受けて、米司法省は『オープン・ソース・ソフトウェア・コミュニティーにおける競争と革新を保護』するために介入を余儀なくされた。そして米司法省は現在、Nortelオークションの結果について調査を行っている。GoogleによるMotorolaの買収は、競争を促進するだろう。Googleの特許ポートフォリオが強化されることで、われわれはMicrosoftやAppleなどの企業による反競争的な脅しからAndroidを効果的に守れるようになる」(Page氏)
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