ラスベガス発--インターネットがテレビに近寄ってくる中で、歴史は繰り返そうとしているのかもしれないが、2011 International CESで明確なリーダーは現れなかった。Googleがそのリーダーでないのは確かだ。
先週、CESで大勢のギークが集結したラスベガスコンベンションセンターの中央通路では、約3mおきにテレビが展示されていた。サムスンやLG、東芝、ソニー、パナソニック、シャープ、その他テレビメーカーとして知られているほぼすべての企業が、大きなブースを設置して自社製品を売り込んでいた。各社がこれまで以上に力を入れていたのが、いわゆる「スマートテレビ」だ。スマートテレビとは、ケーブル端子や衛星放送用アンテナと、インターネットの両方から提供されるコンテンツにアクセスできるテレビのことだ。
「Google TV」搭載テレビは、ほかのスマートテレビよりも見つけるのが難しかった。Googleは2010年5月、Google I/Oで大々的なローンチイベントを開催し、得意分野から遠く離れた業界でも同社の外交能力を誇示したが、CESではあまり目立たなかった。同イベントに参加した幹部社員はわずか数人で、展示製品の数も減っていたほか、本記事用にコメントを出すことにも興味を示さなかった。
2011年1月におけるスマートテレビというコンセプトは、2004年または2005年における「スマートフォン」業界に酷似している。インターネットがいずれテレビの使い方を一変させるということについては誰もが確信を抱いているが、ハードウェアとソフトウェア、サービスをうまく組み合わせて、一般の人々が理解でき、お金を出したくなるようなものを思いついた企業はまだない。
Appleは2007年に携帯電話に大きな変化をもたらしたが、Googleは特定の1社にテレビ分野で同じことをしてもらうのではなく、自らの製品に優れたインターネット体験をもたらすことを目指す業界に、ソフトウェアを提供しようとしている。しかし現在のところ、2011年に発売されるインターネット接続テレビの開発に関して言えば、大半のテレビメーカーは未だに各社独自のソフトウェアを搭載している。これは、「Android」が一大勢力になるまで、MotorolaやVerizonが独自の携帯電話向けソフトウェアを開発しようとしていた状況によく似ている。
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