ソフトウェアの自動更新--ユーザーのメリットを考える - (page 3)

文:Stephen Shankland(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2011年01月07日 07時30分

 総合的に考えて、Windowsに更新をインストールさせた後に、どのようなパッチが適用されたのかを自分で確認する方がおそらく良いだろうという結論に達した。筆者は既にやり方をそのように変更しており、これまでのところその結果に満足している。

 もちろん、怪しげな政府のプログラマーがコンピュータにバックドアを忍び込ませる可能性はある。しかし、更新を適用することで、自分自身と自分のデータを危険にさらす可能性よりも保護できる可能性の方が高いのではないかと思う。

 また、筆者は数時間の時差のある場所に住む義理の母のために、パートタイムでシステム管理者を務めるようになった(「LogMeIn」に感謝)。義母は技術的なことに全く興味がないため、筆者は当然のごとく、義母のPCでWindowsの自動更新を有効にした。

 これがきっかけで、筆者はサイレント更新について、これまでより注意深く考えるようになった。筆者は更新に関する通知を受け取りたいと思う。その通知には見つけやすいリリースノートが含まれていて、コンピュータ上で何が変更されたのかが詳しく分かるとよい(Adobe AIRチームは参考にしてほしい)。しかし、多くの人はそうした情報の理解に必要な専門知識を持ち合わせていない。義理の母の場合は、変更点を通知するポップアップやダイアログボックス、タブは有益というよりも、むしろ混乱と不安の原因になる。

 Cryptography ResearchのプレジデントであるPaul Kocher氏は「本来あるべき形ではないが、悲しいことに(ソフトウェアの更新は)ユーザーの責任になっている。この酷いユーザー体験をわれわれが進んで堪え忍んでいるのは、PCが非常に便利だからという単純な理由のためだ。マイクロプロセッサが家庭用のスマートアプライアンスなどさまざまな機器に搭載されるようになるにつれて、更新の体験に対する許容度はますます低くなっている。そのため、PC業界にとって、この問題の解決策を見つけることが最優先課題である。Intelは、McAfeeを買収したことからも分かるように、このことを理解している。したがって、わたしも警戒してはいるものの、いずれ何らかの改善が見られるだろうと楽観的に考えている」と述べた。

注意すべきこと

 自動更新をうまく機能させたいなら、効果的なものにしなければならない。この1年間に公開された「Office for Mac 2008」の3度のメジャーアップデートでは、筆者はほかのウィンドウの裏に隠れてアクセスできないダイアログボックスや、大容量のダウンロード、あらゆるサードパーティー製ソフトウェアをシャットダウンするという煩わしい要件に苦しめられた。これら3つの問題で最も厄介だったのは、更新作業を進める前に「Microsoft AutoUpdate」プログラムを停止するよう求めるアラートだった。

 結局のところ、更新をチェックする頻度を尋ねる、見えないダイアログボックスを閉じれば済むことだった。この酷い体験を考えると、更新のチェックなど一度もしなくていい、というのが筆者の率直な気持ちだった。しかし、実装のされ方がまずい自動更新のために、自動更新という概念全体が抑制されるべきではない。

 ユーザーがサイレント更新か明示的な更新かを選択できるのが理想的だが、サイレント更新にも役割があるというのが筆者の結論だ。

 もちろん、人によって意見は異なるだろう。特に企業環境では、既存のコンピュータシステムを破壊してしまわないよう慎重に考えた方がいい。また、すべてのソフトウェアメーカーの自動更新を許可するかどうかは、よく考えた上で決めるべきだ。

 「ユーザーは、アプリケーションベースではなくサプライヤーベースの信頼度を決定し、自動更新という特権を認めるのは、ソフトウェアの品質と顧客サポートに関する(確固たる)評価を自らの努力によって獲得したサプライヤーに限定するべきだ」(Holst氏)

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