Operaもこれに追随した。同社の広報担当者Thomas Ford氏は「現在、実際にはサイレント更新にしている。ユーザーがもっと多くのものをコントロールできるように変更することはできる。しかしデフォルトではサイレントだ」と述べている。
Firefoxの新バージョンを2011年にリリース予定のMozilla Foundationは、自動更新をもっと簡単にすることを計画している。Firefoxのエンジニアリング担当バイスプレジデントであるMike Beltzner氏は次のように述べる。「Firefox 4では、バックグラウンドで自動更新を適用する機能を追加して、起動時の遅れを短くし、(ありがたいことに)更新後に毎回新しいタブが開かれることがないように変更を行う。ただし、ユーザーのソフトウェアがどのように更新されたのかを毎回明確に伝えるようにし、どの点が変わったのかをユーザーが確認できる方法も用意する」
Firefoxのプログラマーたちは、同ブラウザを改良するペースを上げたいと考えているが、そのための方法として、自動更新をより積極的に採用することを検討している。
MozillaのプログラマーRobert O'Callahan氏は12月のメーリングリストのメッセージで次のように述べた。「四半期に1度の頻度でリリースを行うには、メジャーバージョンの更新をデフォルトで強制(サイレント)更新にする必要があるかどうかを、検討する必要があると思う」
Beltzner氏はこれに対し「そのとおりだ。検討する必要がある」と答えたが、「わたしとしては強制更新とサイレント更新が同じものだとは思わない。サイレントでない自動更新を行う方法はあるし、サイレントにすると結局は少々論争を呼ぶことになる」と付け加えた。
ブラウザの世界に関していえば、筆者は自動更新に賛成したい。プラグインの互換性問題は発生するが、今日のネット攻撃においてブラウザがいかに中心的な役割を果たしているかを考えると、セキュリティホールはできるだけ早く埋めてほしい。
そして長い目で見れば、自動更新の風潮はウェブにおける今日の悩みの種「Internet Explorer 6(IE6)」を回避するのに役立つかもしれない。2001年にリリースされたIE6は、今では安全で強力なウェブを構築する取り組みの足かせになっている。
「Windows Update」はソフトウェア配布の変化を具現化したもので、自動更新に対する筆者の評価が高まっていく中で重要な瞬間だった。
Microsoftは月例の増分更新サイクル「Patch Tuesday」に移行している。以前は低頻度で大規模な更新を行うサービスパックというアプローチを採用していたが、Patch Tuesdayは部分的にサービスパックに取って代わっている。その理由は簡単だ。セキュリティである。ソフトウェアメーカーにとって、脆弱性が発見されてから攻撃者に悪用されるまでの猶予期間は以前よりも短くなっている。現にMicrosoftは緊急の問題に関して「定例外」のパッチをリリースすることがある。
「Windows XP」から「Windows Vista」へ、そして「Windows 7」への移行のような大規模な機能更新は今でも特別なことだ。しかしその一方で、ビデオドライバの改善といった真の機能向上の多くが定期的に提供されるようにもなっている。
数年前、このWindows Updateに関して「なるほど」と思ったことがあった。筆者はWindows Updateについて、更新が自動的にダウンロードされるが、インストールは筆者が許可してから実行されるように設定していた。そして、Microsoftが送信したすべてのセキュリティパッチをインストールしていたことに気づいた。それらのパッチが原因で問題が生じたこともあったが、筆者はかなり専門的な知識を持ち合わせている一方で、何らかのテストでそれらの問題を検出できるような人間ではない。
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