MSのウェブ標準化活動への復帰--いまだ残る他社との摩擦 - (page 4)

文:Stephen Shankland(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年05月12日 07時30分

 「この問題に関して、Microsoftが議論の場に戻ってきてくれたのは素晴らしいことだ。MicrosoftがHTML5と関連仕様に関して興味深いと思っている部分、そして実装する意思について、もっと多くの情報を共有してくれることを期待している。なぜなら、そうすることで、HTML5やプラットフォームとしてのウェブ全体に対するMicrosoftの取り組みに重みが出てくるからだ」(Shaver氏)

「Canvas」のサポート

 そうした例の1つが、ブラウザ上に2Dグラフィックスを描くためのHTML5機能であるCanvasだ。Shaver氏は「Canvasは今日のウェブプラットフォームにおいて大きな価値のある要素である。したがって、IEがそれをサポートすれば、素晴らしいことになるだろう」と言う。

 MicrosoftはCanvasへの支持を表明しているわけではないが、その可能性が高いことを示唆している。

 「Canvasは何種類かあるウェブグラフィックステクノロジの1つだ。Internet Explorer 9では、すべてのグラフィックス、テキスト、レンダリングがハードウェアアクセラレーションに対応する。われわれは既にHTML5のさまざまな部分へのサポートを表明しているが、Internet Explorer 9 Platform Previewの更新が進むにつれて、もっと多くのことを発表できるようになるだろう」。Microsoftは声明の中でこのように述べた。この文言は、Scalable Vector Graphics(SVG)が実際にInternet Explorer 9 Platform Previewに搭載される前に、同社がSVGのサポートについて語った言葉に怪しいほど似ている。

 Internet Explorer 9 Platform PreviewはMicrosoftの姿勢に関する最大の変化の1つだ。IEの従来のバージョンは、固く閉ざされた扉の奥で開発されていたが、今のMicrosoftはこれまでよりも大幅に早い時期にプロトタイプソフトウェアをリリースし、ウェブ開発者からのフィードバックを積極的に求めている。そうしてウェブ開発者と関わり合うことで、Microsoft は標準に関する議論で、より大きな影響力を持つようになっている。同社は新しいウェブ標準に対し、単に口先だけのお世辞を言う以上のことをしている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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