Googleは、同社ブラウザ「Google Chrome 4.0」の「安定版」をリリースし、これまで何カ月間も開発に費やしてきた、Chromeのカスタマイズができる拡張機能(エクステンション)や、より強力なウェブプログラミング技術に対応した。
しかしながら、この新バージョンはWindows版のみとなっている。Mac OS XおよびLinux向けのChromeは、Windows版の最初のリリースから1年以上を経てベータ版がリリースされ、まだ(Windows版へ)追いつくまでには道のりがある。
今回のリリースがバージョン4.0と呼ばれていることに関して、Googleは、ブラウザのバージョン番号を重視する方針を廃止しており、より優れたブラウザへの単なる「マイルストーン」を示すに過ぎないとの見解を打ち出している。Chromeは、デフォルトで自動的にアップデートする仕組みを備えており、ユーザーは常に最新版を使い続けることができる。
Chromeは、Googleがリリースした初のブラウザである。Microsoftの「Internet Explorer」(IE)やMozillaの「Firefox」のシェアを大きく奪うには至っていないものの、Chromeは、ある調査ではAppleの「Safari」のシェアを追い抜いている。
エクステンションは、ブラウザの大きな機能の1つであり、あまり興味がないユーザーにも目障りとならないで、新機能の追加を実現する。MozillaのFirefoxでも「アドオン」と呼ばれる同様の機能が用意され、すでに数千種類のアドオンがダウンロード提供されているものの、(Chrome 4.0の)エクステンションは、これに対抗し得る存在となる。
Mozillaは、HTMLやCSSといったウェブ標準を採用するChromeのテクノロジと同様に、新たに「Jetpack」と呼ばれるアドオンの基盤へと移行しようとしている。Mozillaは、現在のXULシステムをサポートするものの、Jetpackを通じて、より容易な開発、インストール、アップデートを実現していきたいと考えている。
すでに多くのプログラマーが、さまざまなエクステンションの開発に取り組んでおり、Googleは米国時間1月25日、1500以上のエクステンションを集めたギャラリーページを公開した。
エクステンションは、Windowsユーザー以外にも提供される予定である。
ChromeのプロダクトマネージャーであるNick Baum氏は、公式ブログへの投稿で「LinuxでChromeを用いているユーザー向けには、ベータチャンネル上でエクステンションが利用可能となっている。MacでChromeを用いているユーザーには、もう少し待ってもらわねばならないが、まもなくベータ版で利用できるエクステンションやブックマーク同期機能などを提供できるように、開発に取り組んでいるところである」と記している。
Chrome 4.0の別の新機能としてはブックマーク同期機能が挙げられ、Googleのアカウントを保持するユーザーが一度ブックマークを登録すれば、そのユーザーが使うすべてのChromeのインスタンスでブックマークの利用が可能となる。だが、Mozillaの「Weave」アドオンのように、パスワードやエクステンションの同期までは行えない。
Baum氏は、Chrome 4.0のパフォーマンス向上についても明らかにしており、とりわけブラウザのウェブドキュメント処理速度を測定する、Mozillaの「Dromaeo DOM Core Test」において、42%の速度向上が見られたことを発表している。
さらに、Chrome 4.0では、HTML5で可能になった複数のテクノロジがサポートされている。たとえば、ブラウザアプリケーションやウェブサイトがコンピュータ上にデータを保存可能になる「LocalStorage」および「Database」インターフェース、コンピュータとサーバ間のより進んだコミュニケーションを実現する「WebSockets」インターフェース、ウェブベースのインスタントメッセージングの通知など、ステータスバーのアラート表示に用いられる通知インターフェースなどがサポートされる。
各インターフェースの詳細などに関しては、「Chromium」プロジェクトの公式ブログをチェックしてほしい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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