Windows LiveとAll Aboutのトップが語る「メディアの近未来」

 8月1日、デジタルフォレスト主催のイベント「第3回WebマーケティングROI Day」が開催された。キーノートでは、マイクロソフト 執行役 オンラインサービス事業部 事業部長の笹本裕氏とオールアバウト 代表取締役社長兼CEOの江幡哲也氏による対談が行われた。進行役はデジタルフォレストの坂本英樹氏が務めた。

 笹本氏と江幡氏の両名には元リクルートという共通項があるが、現在はテクノロジー企業のマイクロソフトと、専門家による編集コンテンツが特色のAll Aboutという大きく性格の異なる企業を率いている。今回のディスカッションでは、コンテンツ、技術、メディアのパワーバランスの変化がもたらす近未来をテーマに意見を交わした。

070820_roiday1.jpg左からマイクロソフトの笹本裕氏、オールアバウトの江幡哲也氏

情報クオリティが重視される時代

 インターネットのブロードバンド化とともに、情報をネットで検索するという行動が一般に広く普及した。しかし、一方では有象無象の情報が溢れ、どれを信頼していいのか判断しにくい状況も生まれた。そのような中でAll Aboutは、「クオリティメディア」としてユーザーに信頼でき、こだわりに応える情報を提供するサイトを目指し、2001年2月15日にオープンして以来、順調に成長を続け、2007年6月時点で月間1600万人の読者を獲得している。

070820_roiday2.jpg江幡哲也氏

 All Aboutが多くのユーザーに支持されている理由として、江幡氏は「信頼できる、こだわりに応える情報をあらゆる生活分野で、オリジナルコンテンツとして提供し続けていること」である点を強調した。信頼の置ける専門家をピックアップし、質と量を兼ね備えたコンテンツを提供することが同社のサービス基盤だ。

 江幡氏は、All About事業を立ち上げた背景について、自身の経験を踏まえながら、次のように語った。

 「リクルート時代の1996年、企業のIT導入を担当するキーマン向けに、IT情報を提供する『キーマンズネット』を立ち上げ、BtoBのネット広告におけるターゲティングの精度アップに早くから取り組んできました。その一方でより曖昧さが前提のコンシューマー向け広告ターゲッティングは、システム的に解決される部分が少なく、近い将来、人間によるレコメンドや情報編集を介するメディアの必要性が高まっていくと確信し、ネットの良さと人の良さをミックスした新しいメディア『All About』を発案しました」(江幡氏)

 ブログやSNSなどのコンシューマー発のメディアも含め、情報が無制限に増えていく過程で、本当に信頼できるものが求められてきている。今後はさらにコンテンツのクオリティへのこだわりが増すと江幡氏は予測した。

070820_roiday3.jpg笹本裕氏

 マイクロソフトの笹本氏は、クオリティだけでなく、検索の在り方についても可能性が広がっているとの考えを明かした。同氏は、「人間の取る行動自体がサーチによって決定付けられており、人生はそもそもサーチである」と述べる。

 マイクロソフトでは、検索という技術をより広い範囲で捉え、「いかにソフトウェアとインターネットと融合させるか」というテーマに取り組んでいるという。

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