IT・インターネット関連株の平均騰落率は83％の上昇 - (page 2)

　それでは、IT・インターネット関連企業を見ていこう（表3）。まず、調べた86銘柄の平均騰落率が82.52％と高い上昇率となり、株価指標の上昇率を大きく上回ったことが特徴的だ。こうした上昇を反映し、株式分割を実施している企業が多い。しかも、ガーラやジグノシステムジャパンなど1株を5株に大幅分割する企業や1年に2度分割を発表する企業もあった。ヤフーは2002年以降4年連続で、1年に2度株式分割を実施している。

　トップは、ソフトウェアの特許権などをめぐる松下電器産業との訴訟に逆転勝訴したジャストシステムだった（関連記事）。サイバー・コミュニケーションズやオプトなどネット広告関連も好調だった（関連記事）。不正アクセス事件で、サイトを一時的に閉鎖したカカクコム（関連記事）も復調した。

　テレビ局の買収で話題を集めたライブドアと楽天は明暗を分けた。ライブドアは89.92％上昇した。公衆無線LANサービス（関連記事）を着実に拡大させ、バイオ分野への進出（関連記事）もあった。半面、東京放送（TBS）と和解した（関連記事）楽天は、2.56％のマイナスパフォーマンスだった。また、もっとも軟調だったのはセシールを傘下に収めた（関連記事）ライブドアマーケティングだった。

　2006年も、大型ハイテク株は調整局面を抜け出した企業と抜け出せない企業で明暗を分けるだろう。IT・インターネット関連株は、引き続きIPOやM＆Aを中心に値動きがあらい展開が続きそうだ。「Web2.0」が株式市場でもキーワードとして浮上するかもしれない。Web2.0は関連ファンドが設立されるなど（関連記事）、投資が活発化している。また、企業名にWeb2.0を付けた企業も現れた（関連記事）。こうした中で、アフィリエイトサービスプロバイダーのファンコミュニケーションズ（関連記事）など、これまで株式市場にはなかった業種も登場しており、こうした企業にも注目が集まるだろう。