Microsoftは、「Office for Mac」の次期バージョンにリボンを搭載する。
同社は米国時間2月11日、2010年に発売が予定されている「Office for Mac 2011」について、Windows版では「Office 2007」より搭載されているリボンユーザーインターフェースを採用することを明らかにした。Office for Mac 2011では、同社がブラウザ版として提供する「Office Web Apps」もサポートするほか、Mac OS Xに対応した初の「Outlook」も追加される。
Microsoftは、再びOutlookの搭載を追加した次期バージョンのOffice for Macの開発に取り組んでいることを、2009年に発表していた。同社は、次期バージョンが2010年のホリデーショッピングシーズンまでに発売され、Windows版のOfficeから、Outlookの「.pst」ファイルのインポートが可能になることを明らかにしている。
MicrosoftのMac Business Unit(MacBU)ゼネラルマネージャーのEric Wilfrid氏は声明を出し、「プラットフォームを超えて共同作業を進められることの重要性が言われてきたが、これこそOffice for Mac 2011を、Macで最高となる最も互換性の高い生産性スイートとすべく開発に取り組んでいる理由である」と述べた。
Office for Macは、電子メールおよびカレンダープログラムとして、Mac OS X以前の時期に「Exchange」と互換性があるOutlookを搭載していたことがある。しかしながら、Microsoftは、Mac OS Xの時代からMac専用の「Entourage」プログラムへと移行を図り、当初はOutlookともExchangeとも互換性がなかった。やがてEntourageでは、Exchange対応を大きく改善しようとの取り組みが見られるようになってきたものの、依然として完全な互換性を備えるには至っていない。
Outlookの搭載に加えて、Office for Mac 2011では、リボンユーザーインターフェースの追加や共同編集機能のサポート、さらには他のすでにWindows版のOfficeで搭載された新機能の実装が発表されている。Windows版の次期バージョンとなる「Office 2010」は、製品版に近い「リリース候補(RC)版」に到達しており、6月に発売される予定である。
Microsoftの社内では、たとえブラウザ版のOffice Web Appsが追加されたとしても、Office for Macの販売が落ち込むようなことは心配していないとの見解が示されている。
MacBUのシニアプロダクトマネージャーであるMike Tedesco氏は「Office Web Appsではオフライン機能が提供されておらず、これは重要なポイントとなる」と述べた。同じくMacBUのAmanda Lefebvre氏は、Office Web Appsのみを利用するMacユーザーもいるかもしれないが、「こうした人々はそもそもOfficeを購入することのないユーザー層である可能性が高い」との意見を付け加えた。
一方、Lefebvre氏は、iPhone OSなどのAppleの他のプラットフォームに向けて、MicrosoftがOfficeを提供する計画があるのかどうかに関しては、慎重な姿勢のままであった。
同氏は「明らかにiPhone OSは人気があるプラットフォームであり、われわれとしても対応を検討せねばならない」と語った。
Office for Macに関しては、すでに社内でOffice for Mac 2011のテストが進行中であり、まもなく限定的にクローズドベータ版がリリースされる計画であることを、同氏は明らかにしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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