Act-1と同じように、5thから9thライブまでを追体験できるステージとなっており、「ミリシタ」のリリースを受けて新たなスタートと感じられた5thライブ、タイプとユニットにフィーチャーした6thライブツアー、中止を乗り越えて実現した野外での7thライブ、新たなユニットにフィーチャーしバレンタインのコンセプトを取り入れた8thライブ、“ぶどーかん”でリミックス曲も織り交ぜて披露された9thライブと、それぞれの公演が思い出される内容となっていた。懐かしむには時間が経過していないように感じていても、5thライブは2018年6月開催で約5年前となっており、そのとき以来に披露された楽曲も少なくなかったことから、懐かしさを誘うところもあった。
こと「ミリシタ」における大きな出来事には、前述のように歌織と紬の追加、香里さんと南さんも参加があり、DAY1では南さんが最後の挨拶を任されたなかで“仲間”と言い切り、DAY2では香里さんが全体曲でセンターに立ち続け、挨拶も含めてけん引する姿も印象的だった。そして全般通して、「ミリシタ」の展開があってからのミリオンスターズの成長と、仲間との歩みを振り返るようなステージと思えた次第だ。
また余談ではあるが、筆者のお気に入りのアイドルは木下ひなたということを踏まえて見ても、印象的なところはいろいろとあった。冒頭では「ミリシタ」6周年キービジュアルでも目を引いていた、ひなたがりんごを持っているようなポーズで田村さんが登場したのをはじめ、そのポーズは「Glow map」でも決めていたこととか、Choruchup@rkleメドレーの「Episode. Tiara」については、オリジナルを歌う「STAR ELEMENTS」はPrincessタイプのユニットであり、「ティアラ」や「プリンセス」という言葉がちりばめられた楽曲というなかで、ひなたは“リンゴ姫”である(※地元のリンゴ祭で選ばれた歌姫のリンゴ姫、と紹介されるシーンが「ミリシタ」の「木下ひなたとのメモリアルコミュ1」にある)ことから、この曲を田村さんが歌うところにグッときたことに加えて、ソロパートのフレーズがとても心に刺さるものだったこととか、DAY2のChoruchup@rkleメドレーではひなたが属する「ピコピコプラネッツ」の「ピコピコIIKO! インベーダー」も披露されたが、そのときの歌唱メンバーである大関さん演じる美奈子は、ユニット「ミックスナッツ」でひなたと一緒だったのをはじめ、初めてのCDシリーズのひとつ「LIVE THE@TER PERFORMANCE 09」で一緒に登場し「Helloコンチェルト」も歌っているという、何かとひなたと縁があるアイドルであるとか、小岩井さん演じる朋花は、ひなたが初めてのセンター公演を行う姿を描いたメインコミュ第36話「君だからできること」で、ひなたを励まし支える存在であっただけでなく、コミカライズ作品「アイドルマスター ミリオンライブ! Blooming Clover」における、ひなたをメインにした“北海道編”にいたる展開のなかで応援し後押しする存在であったこととか、香里さん演じる歌織は「プラチナスターツアー ~Angelic Parade♪~」で、ひなたと箱崎星梨花に対して歌唱の特別レッスンをしていたことが思い返されることとか、そもそも筆者の気になるアイドルとして歌織もあげていることもあり、曲中に歌織として「幼年期のみんなー!」と呼びかけるところは“歌のお姉さん感”があってとてもいいと思ったこととか、話はそれているががもう少し続けると、公式パンフレットのなかで田村さんは3rdライブ(福岡公演)について触れているのだが、筆者もあの場にいてそのときの光景を目の当たりにしており、これまで見てきたミリオンライブ!のライブイベントのなかでもひときわ思い出深いといったことなどもある。話を戻して、今回のライブとして触れておきたいところとしては、やはりソロ曲「スノウレター」が歌われたところだろう。
息を吐き、白いライトが照らされるところから始めるバラードソング。会場一面がひなたのイメージカラーである赤に染まるなかで、ところどころ白い光が見える光景は、はらはらと雪が降っているような感覚にもなれるもの。歌詞にあわせた振り付けをしていくなかでは、雪が積もっていることを表現するような“頭ぽんぽん”と言えるようなものから、笑うことを示すようなほほに指をあてるところ、手で丸を作るところなどはほほえましさを感じさせる。また穏やかな笑顔やまっすぐに遠くを見つめるような表情、特に粉雪を両手で包んで空に舞わせるような振りをしたときの表情も儚げで、ひなたにオーバーラップするような感覚になり、見ていくうちにライトで映し出されるシルエットがひなたそのものに思えてくる。
そしてひなた特有とも言えるような優しく暖かみがあり、それでいて会場の隅々、しいては配信で見ている先まで届くぐらいに感じられる強くてまっすぐな歌声だからこそ、曲が持つメッセージ性や思いも伝わってくるもの。なかでも曲中にある“好き”のフレーズを口にするところは、特に気持ちが入っていることが伝わるもので、心に直接響くものとなっていた。その歌声だからこそ、差し出すように手を伸ばしたり、指を指したりするときの説得力のようなものも強く感じられたところがある。
「スノウレター」が披露されるのは5thライブ以来。そのときもひなたらしさが詰まったステージと感じていたが、今回見ているなかでは、その間に行われた6thライブツアー仙台公演において、田村さんの歌声を含めた表現力が格段に向上したステージだったことが思い返せるところもあり、時間の流れのなかで積み重ねてきた田村さんとしての経験が、ひなたとしての時間の流れや経験にも反映されているように思えて、楽曲に込められた思いがより伝わるとともに、アイドルとしてのひなたを輝かせていると思わせてくれるようなステージとなっていた。
そしてもうひとつ触れておきたいのは、「Brand New Theater!」の曲中で見せた“ひなたのポーズ”についてだ。この曲ではキャスト陣とプロデューサーさんがお互いに「イエーイ!」を声をあげるところが3回あり、このときキャスト陣は腕を伸ばしてピースサインを高く掲げたり前に出したり、あるいはプロデューサーさんにマイクを向けるような形で思い思いにポーズをとっているのだが、今回の田村さんは腕を曲げて両手を両肩あたりに引き寄せて、人差し指を立てるポーズをとっていた。小ぶりなポーズでひなたっぽくかわいらしい……というようにも見えるが、「ミリシタ」でひなた最初のソロ曲である「あのね、聞いてほしいことがあるんだ」のスペシャルアピールでのポーズをイメージさせるもの。
このポーズはSR(SR+)「Beyond A Crossing! 木下ひなた」やN+「木下ひなた+」でもとっているのだが、もとをたどればかつてサービスを行っていたソーシャルゲーム版のHN「木下ひなた」のポーズでもあり、“初めてアイドル衣装をまとってとった、アイドルとしての最初のポーズ”と言えるもの。現地で見たときには驚いたとともに、10周年記念ライブという場で思い入れもあるポーズを見ることができたことに、序盤から感慨深くなった次第だ。
なお本公演の模様は、「ASOBISTAGE」でのアーカイブ配信を期間限定で実施。DAY1とDAY2ともに、視聴チケットの販売期間は8月7日12時までで、アーカイブ視聴期間は8月7日23時59分までを予定。価格は各6000円(税込)。詳細は10thライブツアー特設サイト内オンライン有料配信情報にて記載されている。
今後の展開についても発表された。公開された情報は「アイドルマスター ポータル」内告知内容まとめ(【DAY1】【DAY2】)に掲載されている。以下、一部抜粋して紹介する。
「ミリシタ」については、まず新シリーズ「MILLIONLIVE! ANIMATION STAGE」プロローグ編となる「M@STERPIECE」のMVを公開した。そのほかゲーム内イベントや各種アップデートも告知している。
【新楽曲イベントシリーズ】
— ミリオンライブ! シアターデイズ【公式】 (@imasml_theater) July 30, 2023
MILLIONLIVE!
ANIMATION STAGE
~プロローグ編~
?『M@STERPIECE』の楽曲MVを公開!
本シリーズは、ミリシタの世界観とは異なる
『アニメに繋がる世界』として、アニメでの物語の周辺を描いていく楽曲イベントです!
⇒イベント詳細は、8/8(火)生配信にて! pic.twitter.com/m340CYdy9n
アニメ「ミリオンライブ!」劇場先行上映について、8月19日に丸の内ピカデリー及びユナイテッドシネマ豊洲にて、第1幕の舞台挨拶を開催予定。ライブビューイングも実施する。
8月8日21時から、ニコニコ生放送、YouTube Liveにて「アイドルマスター ミリオンライブ! 765プロch アニメ!ライブ!ミリシタも!あちこち開演♪生配信」を配信予定。アニメだけでなく10thライブツアーの情報やミリシタの最新情報など、ミリオンライブ!に関するさまざまな情報をお届けするという。
11月4日と11月5日に、西日本総合展示場 新館にて開催予定の「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 10thLIVE TOUR Act-3 R@ISE THE DREAM!!!」について、出演者が発表。今回は両日とも同じ出演者となっている。
このほか各種コラボや新作グッズなどの情報も公開している。
「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 10thLIVE TOUR」特設サイト
「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」公式サイト
「アイドルマスター ミリオンライブ!」アニメ公式サイト
THE IDOLM@STER TM&(C)Bandai Namco Entertainment Inc.
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