CNET Japanの編集記者が気になる話題などを紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。主にゲームなどのエンターテインメント領域を取材している佐藤が担当。今回は7月29日と30日に、愛知県のポートメッセなごや 新第1展示館にて行われた、「アイドルマスター ミリオンライブ!」(ミリオンライブ!)をテーマとしたライブイベント「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 10thLIVE TOUR Act-2 5 TO SP@RKLE!!」の模様をお届けする。
ミリオンライブ!は、「アイドルマスター」シリーズのひとつとしてモバイルゲームを基点に多方面で展開。本公演は、ミリオンライブ!から登場しているアイドル(キャラクター)の声を担当しているキャスト陣「ミリオンスターズ」によるライブイベントとなっている。2023年2月に10周年を迎えたことを記念し、この10thライブでは4都市でのツアーとして開催される。
4月には埼玉県のさいたまスーパーアリーナで「Act-1」が実施され、このときは1stから4thライブの振り返り公演をコンセプトとした内容となっていた。今回の「Act-2」はそれに続くもので、5thから9thライブの振り返り公演をコンセプトとしたもの。スマートフォン向けゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」(ミリシタ)のサービスが開始されてから行われたライブの振り返りにもなっている。ライブタイトル「5 TO SP@RKLE!!」もそれにちなんだもの(※9thライブのタイトルは「ChoruSp@rkle!!」(読み方は「コーラスパークル」))となっていたほか、5thから9thライブの各ロゴマークがモノクロのフィルムとなってあしらわれたセットも設けられた。また、会場には多くの“プロデューサーさん”(※アイドルマスターシリーズのファンのこと)が集まり、パフォーマンスに対してコールや声援を送っていた。さらに国内のみならず、海外に向けたオンラインでの中継配信も実施。コメントでも盛り上がりを見せていた。
出演したのは、DAY1は山崎はるかさん(春日未来役)、阿部里果さん(真壁瑞希役)、雨宮 天さん(北沢志保役)、小笠原早紀さん(野々原 茜役)、角元明日香さん(島原エレナ役)、木戸衣吹さん(矢吹可奈役)、駒形友梨さん(高山紗代子役)、末柄里恵さん(豊川風花役)、田村奈央さん(木下ひなた役)、野村香菜子さん(二階堂千鶴役)、浜崎奈々さん(福田のり子役)、平山笑美さん(北上麗花役)、藤井ゆきよさん(所 恵美役)、南 早紀さん(白石 紬役)、渡部恵子さん(周防桃子役)。DAY2は田所あずささん(最上静香役)、Machicoさん(伊吹 翼役)、愛美さん(ジュリア役)、伊藤美来さん(七尾百合子役)、大関英里さん(佐竹美奈子役)、郁原ゆうさん(エミリー スチュアート役)、桐谷蝶々さん(宮尾美也役)、小岩井ことりさん(天空橋朋花役)、香里有佐さん(桜守歌織役)、近藤 唯さん(篠宮可憐役)、中村温姫さん(ロコ役)、原嶋あかりさん(中谷 育役)、山口立花子さん(百瀬莉緒役)、渡部優衣さん(横山奈緒役)。両日ともに3時間を超えるステージを展開した。
DAY1では、765プロの高木順二朗社長による前説、「ミリシタ」の舞台である765プロライブ劇場(シアター)の事務員である青羽美咲による注意事項ののち、オープニングムービーとともにオーバーチュアが流れてライブがスタート。その1曲目は「Brand New Theater!」。「ミリシタ」のテーマソングを出演者そろって披露し、衣装も5thから9thライブまでの各衣装の要素を組み合わせたオリジナル衣装で登場。ライブの幕開けを華やかに飾った。
曲が終わりあとそれぞれがアイドルとキャストとしての挨拶をしつつ、今回のライブコンセプトや衣装紹介をしたり、また3rdライブツアー以来の名古屋での公演ということで、思い出や親しみのある場所、あるいは初めての場所などといったことが話されたり、ウナギを食べたという“ご報告”など食べ物にまつわるエピソードなど、名古屋にちなんだ話題でも盛り上がっていた。
ここからはソロ曲やユニット曲が次々と披露されていく。まずは山崎さんによる「未来系ドリーマー」からこのブロックはスタート。元気いっぱいなステージに、ウェーブや終盤でプロデューサーさんに向けて歌うようにうながすなど、一体感を高めていく。それに続いた藤井さんは「Hearty!!」を披露。ポップな曲調で紡がれる楽曲をリズミカルなダンスを交えながら軽快に歌っていた。
さらに盛り上がるような曲が続き、角元さんによる「シャクネツのパレード」は、サンバの曲調にのせて歌うなか、曲中のコール&レスポンスが会場中に日々渡る。木戸さんは「グローインミュージック!」で、歌うのが好きな可奈をほうふつとさせる笑顔で歌声を響かせていた。
浜崎さんによる「WE ARE ONE!!」では、冒頭や間奏での「のーりーこー!!」コールは、Act-2公演でも屈指といえるぐらいの大きさと感じられるほど。会場内のボルテージも天井知らずと思えるほどと同時に、声出し可能な公演ならではのステージと実感できるものに。そしてユニット「TRICK&TREAT」による「Black★Party」(小笠原さん、平山さん)に。2人ともユニット衣装を着て登場した上、着ぐるみの茜ちゃん人形も姿を見せる。そんななかでハロウィンの雰囲気が全開といえる魅惑の空間を作り出していた。
MCパートでは、楽曲を披露した感想とともに、5thから9thライブを振り返るトークも展開。ここでは、木戸さんが「STAR ELEMENTS」で活動できたことの楽しさや、駒形さんと浜崎さんは5thライブで予告なく「閃光☆HANABI団」として登場したことを語るなど、「ミリシタ」発のユニット活動について思い出を話していた。
ライブパートが再開され、ここからは落ち着いた雰囲気で聴かせる曲が続いていく。野村さんは「ムーンゴールド」を披露。千鶴をイメージさせるようなあふれる気品を感じさせる曲調のなかで、まっすぐに歌声を響かせる。田村さんによる「スノウレター」では、スローバラード曲を純朴な歌声で優しく歌う。末柄さんによる「祈りの羽根」では、風花として歌うときに癒やしの歌声で会場中を包み込むようように、そして前向きな気持ちになれる空間に。
平山さんによる「ふたり繋ぐ星座」では、星がきらめく夜空がイメージできるなかで、“歌声で魅せる”を素直に感じられるような、美しく伸びやかに響き渡る歌声に魅了されるものとなっていた。そして、ユニット「EScape」による「Melty Fantasia」(雨宮さん、阿部さん、南さん)に。6thライブツアー以来4年ぶりにクール系美少女ユニットの“再起動”と呼べるような、ユニット衣装をまとっての登場で、歌い出したときには大きなざわめきも。その状況のなかで、3人はハーモニーを響かせ、ラストでアンドロイドがバッテリーが切れたかのような後ろ向きでガクッとなって動きを止めるようなシーンも目を引くものとなっていた。
MCパートでは、披露した楽曲の感想や5thライブ以降のことを振り返りつつ、末柄さんは「祈りの羽根」が「ミリシタ」に実装されたこともあって、今回はその振りの要素を取り入れたことを明かす。ほかにも「ミリシタ」のサービス以降は、MVで歌い踊るアイドルの姿を参考にするなど、パフォーマンスのレベルも上がったことなどが語られた。
ライブが再開され、まずは小笠原さんによる「AIKANE?」から。前のライブパートからは一転するように、終始にぎやかなステージに。さらに茜ちゃん人形も再登場しつつ、間奏での「あいうえお作文」はスペシャルバージョンとして披露されるなど、コールも含めて楽しい気持ちにさせてくれるものに。続いた渡部恵子さんによる「リーチ・アップ・ステップ!」では、大きく手を振ったり軽快なステップを見せたりと、桃子がアイドルとして歌うほほえましさを感じられるものとなっていた。
阿部さんによる「ゆえに…なんです」では、落ち着いた雰囲気のなかで、神秘的ともいえるような独特な空間を、サウンドと瑞希として歌う歌声をもって作り出す。そして南さんは、バラード曲「さかしまの言葉」を披露。力強さとはかなさをあわせもつようにも感じられる歌声で、聴く人の心を響かせるようなステージとなっていた。
ここまでの雰囲気が一変するステージとなったのは、駒形さんによる「REACH THE SKY」。シンフォニックロックの曲調にのせて、奥行きのある会場の奥まで、そして空に届かんばかりの歌声を持って披露。これに続いた雨宮さんによる「CAT CROSSING」では、疾走感あふれるロックソングというなかで、志保の信念を示すかのように、クールな表情で熱唱。後のMCパートに登場したキャスト陣が興奮気味に雨宮さんのもとへ集まっていくほど、圧巻のステージを展開した。
そんなMCパートは南さんについて触れられる。「ミリシタ」では歌織と紬が新たに追加され、それにあわせて香里さんと南さんも参加。イベント出演を経て、5thライブからナンバリングライブに出演するようになった。そんな南さんが当時について触れていたのをはじめ、ユニットでのパフォーマンスが主体となった6thライブツアーでの思い出であったり、お互いのパフォーマンスを褒め合ったり、さらにここではEScapeの3人がそろっていたこともあり、また歌えたことの喜びも語られるなど、終始にぎやかなトークが展開された。
最終ブロックとアナウンスされ、ここからはメドレーで展開。まずは「ミリシタ」の3つあるタイプのテーマソングである「Angelic Parade♪」(角元さん、小笠原さん、田村さん、末柄さん、平山さん)、「Princess Be Ambitious!!」(山崎さん、駒形さん、木戸さん、浜崎さん)、「FairyTaleじゃいられない」(藤井さん、雨宮さん、野村さん、阿部さん、渡部恵子さん、南さん)と歌い進めていく。
さらに「Do the IDOL!! ~断崖絶壁チュパカブラ~」アレンジバージョンのイントロが流れたあと、口上として“Choruchup@rkleメドレー”と題してアレンジバージョンでのメドレーを披露することを告知。ここではユニット曲の新規アレンジ楽曲で、オリジナルメンバーがいない歌唱メンバーでパフォーマンスを行う形で進行した。
キュート感にダンサブルなアレンジが加わった「Episode. Tiara」(藤井さん、小笠原さん、駒形さん、田村さん)を皮切りに、よりセクシーで魅惑の空間となった「Cherry Colored Love」(野村さん、末柄さん、阿部さん、南さん)、透明感に疾走感も加わったような「ReTale」(角元さん、浜崎さん、平山さん)、キャッチーな歌詞とシンフォニックロックの組み合わせが特徴で、アレンジバージョンではそれをより際立たせたような「ZETTAI × BREAK!! トゥインクルリズム」(山崎さん、雨宮さん、木戸さん、渡部恵子さん)とたたみかけるように歌われる。そして再度「Do the IDOL!! ~断崖絶壁チュパカブラ~」のメロディーに戻り、出演者がそろってアレンジバージョンを披露。プロデューサーさんからのコールも相まって、熱気は最高潮と感じられるものとなっていた。
本編の締めくくりとして歌われたのは「Glow map」。「ミリシタ」のMVでは野外ステージで歌う姿が描かれ、初の野外ライブとなった7thライブを象徴する楽曲で、当時の光景を思い返せるものだった。
アンコールと業務連絡と題した告知映像の上映を経て、キャスト陣が再登場し、歌われたのはミリオンライブ!10周年記念曲である「Crossing!」。同じく記念衣装である「リ・プロローグ・X(クロス)」をまとって、さらなる飛躍を誓うように歌う。さらに、「ミリシタ」6周年記念曲である「グッドサイン」も、キャスト陣によるライブでは初披露。モニターに映し出されたコールのガイドも相まって、プロデューサーさんのコールも強く響くなか、“グットサイン”を示すハンドサインなどを交えながら、全員が楽しそうな表情で歌い続けていた。
最後の挨拶としてそれぞれに感想を語るなかでは、披露したソロ曲が久々に歌えたことや、コールがある状態で歌えたこと、歓声が勇気になったことなどが語られつつ、感謝の言葉とともに今後にも期待してほしいといった言葉もあり、プロデューサーさんからも大きな拍手が送られていた。そしてラストナンバーは「Thank You!」。モニターにはこの日のダイジェスト映像が流れるなかで、ステージのさまざまな場所から手を振って感謝を伝えつつ締めくくり、DAY2へとつなげていった。
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